男子ラガーマンにナメられないように。桑井亜乃は選手時代と変わらぬトレーニングで五輪史上初の偉業を目指す (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

---- サクラセブンズは8月の国際大会で優勝し、ワールドシリーズのコアチームに返り咲きました。そして、9月9日からは世界一を決めるセブンズ・ワールドカップに参戦します。

「私のひとつ上(34歳)の中村知春選手など、リオ五輪で一緒にプレーしていた選手もいるので楽しみです。サクラセブンズがワールドシリーズのコアチームに昇格してくれたので、私も一緒にワールドシリーズを回りたいから頑張ろうという気持ちにさせてくれました。

 ちょうど8月に行なわれた昇格大会の決勝を、未来のサクラセブンズ(セブンズユースアカデミー)の選手たちと一緒に見ていたんです。若い子たちには、サクラセブンズが輝いて見えたと思います。ワールドカップの初戦は東京五輪で銅メダルだったフィジー代表ですが、調子の波があるチームなので頑張ってほしいですね」

---- さらに10月には、サクラフィフティーン(15人制ラグビー女子日本代表)もワールドカップに出場します。

「かつてサクラセブンズも指導していたレズリー・マッケンジーHC(ヘッドコーチ)とは今も仲良くさせていただいていて、定期的にハンバーガーを食べにいきます。近くで見てきて彼女らの成長の幅を肌で感じているので、個人的には目標のベスト8以上に行けるかなと思っています。

 レスリーは選手一人ひとりに向き合うことが上手だし、選手の特徴や逆に足りないものなども正確に教えてくれます。だから選手たちも『頑張らないといけない』と思える指導者です。レスリーの人間性がみんなに成長という種を植え、それが開花し始めている感じがします」

---- 桑井さんは将来のキャリアについて、どう考えていますか?

「まずは今、パリ五輪を目指していますけど、パリ五輪が終わってからもレフェリー業から離れられないかな、と思っています。現役時代、リオ五輪後もそんな感覚(辞めたくない感覚)になったので、また同じかもしれませんね」

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