富樫勇樹に海外メディアから質問が集中 東アジアスーパーリーグで見たBリーグ人気 (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

 これも彼への関心の高さの証左だと言えよう。そして、これが富樫ではなく例えば河村や比江島であっても、やはり同じような状況に置かれていたのではないか。

 Bリーグの認知度が上がった大きなきっかけは、2020-21シーズンから、2名コートに立つことの許される外国籍選手にもう1名、アジアの提携国出身の選手を加えられる「アジア特別枠」が導入されたことだろう。これによって、フィリピンを中心に多くの選手たちが日本でプレーするようになったことが挙げられる。

 これを機にBリーグは国際化を視野に入れ、フィリピンや台湾では同リーグの英語版YouTubeやFacebookで配信を開始している。それでも、まだまだ十全に認知されているとは言いがたく、同リーグの国際事業関係者によれば、今後はアジア各国に赴いてイベントを開催するなどして、NBAに次ぐ世界第2位のリーグを目指していきたいと話している。

 筆者は今回のファイナルフォーで、EASLの海外開催の試合の取材を初めて経験しているが、他国ファンや関係者から向けられる富樫への注目度の高さは想像以上で、Bリーグが今後、アジアで存在感を増す可能性を感じた。

プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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