強敵イランに圧勝しW杯予選5連勝にも富樫勇樹「ここで満足はしていない」 ホーバスHCが目指す日本男子バスケの完成形 (4ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文 text by Konagayoshi Yoko
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

【まだまだ競争を求めていく】

 ホーバスHCは15カ月間にわたる予選を振り返り「ベース(土台)は作りました」と手応えを語った。

 ただ、ここからの道もまた険しい。オリンピックで銀メダルを獲得した女子は、アジアカップで4連覇を達成して土台を作ったあと、オリンピック直前にケガ人が多発したにも関わらず、プレスディフェンスの強度を上げてチーム力を一回り高めた。司令塔の町田瑠唯は、「決められたルールをやり切る遂行力がついたのはもちろんですが、ディフェンスの対応を見て、各自の判断でフィニッシュできるまでやり込みました」とチームの練度を高めたことを上昇の要因にあげていた。

 リーグ日程が過密な男子にはそこまでチームを作り込む時間がないばかりか、今後はアジア以上の強度を持つ国と対戦することになる。富樫もチームの成長は認めながらも「アジアと世界のレベルは違うので、ここで満足はしていません」と気持ちを引き締める。だからこそ、ホーバスHCは選手たちに宿題を与えている。

「自チームの練習とは別に、個人で代表の役割や自分に足りないことを練習してほしい。チームのベースができたので、ここから先は新たにメンバーが入るチャンスは少なくなることは確かです。でもまだメンバーは決まっていません。僕はいつでも選手の成長を見ています。まだまだ、Bリーグや合宿でコンペティション(競争)させたい」

 ワールドカップまであと半年。最後まで最適なバズルを組み合わせるために、選手たちにレベルアップを求めていく。

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