MotoGP今シーズン初テストで見えた2023勢力図。王者ドゥカティと日本勢ヤマハ&ホンダのタイム差は? (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • photo by Nishimura Akira, ©MotoGP.com

チャンピオンナンバー1番の使用は2012年シーズン以来チャンピオンナンバー1番の使用は2012年シーズン以来この記事に関連する写真を見る ドゥカティと同じく欧州メーカー勢のアプリリアは、昨年のレースでアレイシ・エスパルガロ(Aprilia Racing)とマーベリック・ビニャーレス(Aprilia Racing)が何度も表彰台を獲得する活躍を披露した。特にエスパルガロは、チャンピオン争いに絡む目覚ましい走りを見せたが、後半戦に調子を乱してタイトル争い争いから脱落した。

 今回のテストでは、エスパルガロが「今年のバイクは冷却系がかなりよくなった」と大きな手応えを強調した。

「昨年はこの部分が悪夢のようで、そのために(熱帯の)タイGPやここマレーシアGPの終盤戦に大苦戦を強いられた。今年のマシンはチームがすばらしい仕事をしてくれて、バイクがとてもよく走っている。ストレートも速くなったし、切り返しもスムーズ。全体的に少しずつよくなっているのは、とてもいい兆候」

 エスパルガロは、マリーニから0.418秒差の総合6番手。ビニャーレスはさらにその上をゆく総合3番手。ラップタイムではマリーニの0.147秒背後で、トップスピードはバニャイアと並ぶ最上位の337.5km/hを記録した。

 今シーズンのアプリリアはサテライトチームを獲得し、2チーム4台体制になっている。データ収集面でも昨年以上の充実が見込まれるため、戦闘力はますます向上していきそうだ。ただ、エスパルガロは「今のところドゥカティが最もいいバイクで、どのライダーたちも総じて速い」とも述べており、この正直なコメントに現状の勢力関係が現れていると言えそうだ。

 一方、日本メーカー勢は、スズキが昨年かぎりでレースから撤退したため、2023年シーズンはホンダがファクトリーとサテライトの計2チームで4名の選手、ヤマハがファクトリーチームのみの1チーム2名体制というラインナップで、数の上では欧州陣営と比較すると劣勢を強いられる格好になっている。

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