「角田裕毅はすごく変わった」「岩佐歩夢は佐藤琢磨みたい」。F1カメラマン2人が語る日本人ドライバーへの期待 (4ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi

【日本でもF1ブーム再来の兆し?】

ーー最後に2023年シーズンの期待や見どころを教えてください。

熱田 チャンピオン争いは、レッドブル、フェラーリ、メルセデスのトップ3の構図は変わらないと思います。トップ3の差が縮まってきて、6人のドライバーのなかで誰が勝つかわからないという面白いシーズンになってくれることを期待しています。あとはアルファタウリには、角田選手がちゃんと実力を発揮できるマシンをつくってほしい。

桜井 角田選手にはもちろんデ・フリースに負けないように頑張ってほしいですが、僕はデ・フリースが中団グループをかき回す面白い存在になると思います。チャンピオン争いはフェルスタッペンとルクレール、それにハミルトン。この野獣3人のなかにラッセルは入れないと思います。

熱田 いや、ラッセルは絶対に来ますって(笑)。彼が優等生を装っているのは外から見ているとよくわかりますが、したたかな部分をもっと出して、フェルスタッペン、ルクレール、ハミルトンと競い合ってほしい。

 あと個人的にはフェルナンド・アロンソがアストン・マーティンに移籍して、チームをどう引っ張っていくのか。そこは注目しています。あのチームはランス・ストロールのお父さんがオーナーですから、何だかんでストロールが一番です。そういう状況でアロンソがストロール親子とどう関わって、戦っていくのかというのは見物です。

桜井 3年ぶりに開催された日本GPで、若い人や家族連れの姿が目につきました。これまで1980年代後半から1990年代前半のF1ブーム時代のファンがずっとスライドしていた印象でしたが、新しいファンがF1に注目し始めています。

 日本人ドライバーも角田選手や岩佐選手という若い世代が育っていますので、再び日本でF1が盛り上がってほしいです。

対談 特別編<敏腕F1カメラマン2人の2022年シーズンベストショット23枚。「上空からの面白い構図」「先陣争いのシビれる瞬間」「スタート直後の大クラッシュ」>につづく

【プロフィール】
熱田 護 あつた・まもる 
1963年、三重県鈴鹿市生まれ。2輪の世界GPを転戦したのち、1991年よりフリーカメラマンとしてF1の撮影を開始。2022年シーズン終了時点で取材557戦の、日本を代表するF1カメラマン。2023年1月28日まで写真展『0.2sec』が「M16 Gallery」(東京都江東区冬木22-32 森芳ビル1階)で開催中。1月7日、14日、22日にはトークイベントも実施。

桜井淳雄 さくらい・あつお 
1968年、三重県津市生まれ。1991年の日本GPよりF1の撮影を開始。これまでに400戦以上を取材し、F1やフェラーリの公式フォトグラファーも務める。YouTubeでは『ヒゲおじ』としてチャンネルを開設し、GPウィークは『ヒゲおじ F1日記』を配信中。鈴鹿サーキット公式HP内の特設ページ『写真で振り返る2022年シーズン』で作品を掲載。

【著者プロフィール】
川原田 剛 かわらだ・つよし 
フリーライター。1991年からF1専門誌で編集者として働き始め、その後フリーランスのライターとして独立。一般誌やスポーツ専門誌にモータースポーツの記事を執筆。現在は『週刊プレイボーイ』で連載「堂本光一 コンマ1秒の恍惚」を担当。スポーツ総合雑誌『webスポルティーバ』を始め、さまざまな媒体でスポーツやエンターテイメントの世界で活躍する人物のインタビュー記事を手掛けている。

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