中山記念で注目は「直近10年で4勝」のハーツクライ産駒2頭 人気薄だがチャンスあり (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki

 左回り巧者のイメージがあるのであまり人気にはならないだろうし、昨秋の走りからも、ここで勝ち負けする力も残っていることがうかがえた。昨年の勝ち馬ヒシイグアスは7歳だったので、6歳ながら今回が17戦目とキャリアも少ない本馬には十分チャンスがあるはずだ。

 もう1頭もハーツクライ産駒からボーンディスウェイ(牡5歳、美浦・牧光二厩舎)を推す。同馬は重賞未勝利でやはり人気は集まりにくそうだが、全4勝中3勝が中山という"コース巧者"。昨年の暮れには同じ中山・芝1800mの常総Sを勝利し、前走のGⅢ中山金杯(中山・芝2000m)は4着。2歳時にはGⅠホープフルS(中山・芝2000m)5着、3歳時にはGⅡ弥生賞ディープインパクト記念(中山・芝2000m)3着と重賞での好走歴もある。

 母ウィンドハックはドイツ産で、GⅡ伊1000ギニー(芝1600m)の勝ち馬。母の父プラティニもドイツ産で、ドイツとイタリアでGⅠを勝っており、GⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)やGⅠ天皇賞・秋(東京・芝2000m)を勝ったエイシンフラッシュの母の父でもある。

 ハーツクライとドイツ血統は相性がよく、本馬が母系に持つズルムーは、GⅠ朝日杯フューチュリティSを勝ったサリオスも持つ血だ。エイシンフラッシュもサリオスも5歳まで一線級で活躍した成長力を持っていたため、本馬にも5歳春の素質開花に期待する。

 以上、今年の中山記念はハーツクライ産駒イルーシヴパンサー、ボーンディスウェイの2頭に注目する。

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