大阪杯で外せない、馬券に絡みまくりのディープインパクトの血 GⅠ初制覇を狙う「芝2000m7勝馬」も注目 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 その後は、GⅠ天皇賞・秋7着、GⅢ愛知杯3着、GⅡ金鯱賞8着と敗れている。ただ、天皇賞・秋は道中の不利、愛知杯はトップハンデを背負っての道悪、金鯱賞は直線で再三の不利があり、力を出し切れなかった。スムーズな競馬ができれば、ここに入っても上位争いができるだろう。

 阪神・芝2000mは、昨年のGⅢマーメイドSで2着。右回りの芝2000mは3戦して2勝、2着1回の"パーフェクト連対"という成績が残っている。

 父クロフネは、GⅠ桜花賞のソダシなどを出した名種牡馬。このレースとの関連性も高く、前述の2017年2着のステファノスと2022年2着のレイパパレのほか、2020年2着のクロノジェネシス(父バゴ)も母の父にクロフネを持っている。

 マリアエレーナは牝系も優秀で、母の全弟にGⅠ日本ダービーを勝ったワグネリアンがいる。ワグネリアンは2019年の大阪杯で3着に入っており、コース適性も十分だ。GⅠ初制覇に期待する。

 もう1頭はモーリス産駒のジャックドール(牡5歳、栗東・藤岡健一厩舎)を推す。昨年の大阪杯5着馬で、昨夏のGⅡ札幌記念ではパンサラッサ、ウインマリリン、ソダシ、グローリーヴェイズら強敵を相手に勝利した。

 今回は昨年12月のGⅠ香港C(7着)以来のレースになる。昨年の大阪杯は、2021年9月から5連戦した後の出走で「押せ押せ」のローテーションだったのに比べると、今年はこのレースを目標にじっくりと仕上げられており、臨戦過程は好感が持てる。札幌記念も4カ月半ぶりの実戦だったため、約4カ月ぶりのレースとなる今回も力を出せそうだ。

 父モーリスは芝1600mと2000mのGⅠを6勝。産駒は、ジェラルディーナがGⅠエリザベス女王杯(阪神・芝2200m)、ピクシーナイトがスプリンターズS(中山・芝1200m)を勝利している。

 豪州ではヒトツが芝1600~2500mのGⅠを3勝し、マズが芝1200mのGⅠを勝利したように距離適性は幅広い。最近の活躍馬では、このレースに登録しているラーグルフ(GⅢ中山金杯)、ノースブリッジ(GⅡアメリカJCC)など芝2000m前後の良績が目立っている。

 ジャックドールの母の父アンブライドルズソングは、三冠馬コントレイルの他、このレースの勝ち馬でもあるスワーヴリチャードの母の父としても知られる。ジャックドールは全7勝が2000mということもあり、このレースはGⅠ初制覇に相応しい舞台とも言えるだろう。

 以上、今年の大阪杯は、マリアエレーナとジャックドールの2頭に期待する。

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