フィリーズレビューで注目は芝1400mに強いキタサンブラック産駒 父は長距離に強かったがスプリンターの素質は十分 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 今回のフィリーズレビューに、キタサンブラック産駒ではポリーフォリア(牝3歳、美浦・鈴木伸尋厩舎)が登録している。同馬は昨年12月の中山・芝1600m戦を逃げ切って初勝利。前走の1勝クラス(東京・芝1400m)を勝ってここに臨む。前走のレースではスッと2番手を追走し、早めに先頭に立つと後続を寄せつけずに完勝。そのレースセンスとスピードは、重賞でも通用すると思わせるものだった。

 血統も筋が通っている。母メンディドは、ダート9Fの米GⅠサンタマルガリータSで2着に入った実力馬で、曽祖母の全姉に米3歳牝馬チャンピオンのバンシーブリーズがいる牝系。さらに、母の父ブロークンヴァウは名種牡馬アンブライドルド産駒で、祖母の父オーサムアゲインは米GⅠBCクラシック勝ち馬と、名種牡馬が並んでいる。母は5歳で本格化した馬だけに、成長力も期待できるだろう。

 もう1頭はイティネラートル(牝3歳、栗東・長谷川浩大厩舎)を推す。同馬はキズナ産駒で、姉にGⅢファンタジーS(芝1400m)3着、GⅢ京都牝馬S(芝1400m)3着、GⅡ阪神牝馬S(芝1600m)2着のアマルフィコーストがいる血統だ。

 そのアマルフィコーストは阪神・芝1400mで新馬勝ちし、重賞でも好走した1400m巧者で、イティネラートル自身も同コースで行なわれた昨年10月のりんどう賞を3馬身差で逃げ切っている。展開に左右されそうだが、気持ちよく逃げられれば粘り込みも十分に可能だろう。

 以上、今年のフィリーズレビューはキタサンブラック産駒ポリーフォリア、キズナ産駒イティネラートルの2頭に注目する。

プロフィール

  • 平出 貴昭

    平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)

    主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

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