2歳牝馬を識者たちがランキング。阪神JFの行方が見えてくる (3ページ目)

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 4位には、函館2歳Sの勝ち馬ブトンドール(牝2歳/父ビッグアーサー)が入った。続くGIIIファンタジーS(11月5日/阪神・芝1400m)でも2着と好走。阪神JFでは、距離延長をどうこなすかがポイントとなる。

伊吹氏
「11月27日終了時点の本賞金は5000万円で、牡馬を含めても単独トップ。2020年のセレクトセールにて購買された時の価格は2200万円(税込み)。すでに倍以上の賞金を稼いでいます。

 母のプリンセスロックが現役時代にダート短距離を主戦場としていたこともあり、今後の大舞台では距離適性などを不安視されそうですが、前走のファンタジーSも着順以上に高く評価できる内容でした。これまでの実績を過小評価される場面があったら、積極的に狙ってみたいです」

 5位には、同ポイントでデインバランス(牝2歳/父エピファネイア)、ドゥーラ(牝2歳/父ドゥラメンテ)、ムーンプローブ(牝2歳/父モーリス)の3頭がランクインした。

吉田氏
「アルテミスSでは4着に終わったデインバランス。同レースでは、4kg減の472kgでしたが、エピファネイア産駒らしい重厚感があり、トモのボリュームは2歳馬離れしていました。パドックでもテンションは高くならず、レースではすんなり前づけができたことも好感が持てます。

 超スローペースと馬込みの競馬で、多少力んでしまった辺りは若さでしょう。リバティアイランド同様、この馬も直線では内に入ってスムーズに追えず、道中でポジションを下げる形になったことも誤算でした。好位で折り合い、長い直線でしのぐような競馬ができるようになれば、大きいところでも戦えそうです」

伊吹氏
「ドゥーラは、牡馬相手の札幌2歳Sを快勝している点を高く評価したいところです。現2歳世代のドゥラメンテ産駒は11月27日終了時点で、JRAのレースにおける勝ち馬率(1着となった経験のある馬÷出走した経験のある馬)が33%。他の2歳リーディングサイアーランキング上位勢と比べても、かなり優秀な数字です。この馬はもちろん、これから出世してくる同産駒にも注目しておきたいと思います」

土屋氏
「前走で1勝クラスの白菊賞(11月27日/阪神・芝1600m)を快勝したムーンプローブ。デビュー戦は5着でしたが、余裕残しの状態で、さらにスローペースからのヨーイドンの競馬になったことが敗因でしょう。

 その後は、マイル戦を2連勝。特によどみのない流れのなか、上がり34秒8でまとめた未勝利戦の勝利には目を見張りました。派手さはありませんが、ちょっとモノが違うと思いました。モーリス産駒特有の"3歳春の伸び悩み"さえクリアできれば、先々面白い存在になると思います」

 ハイレベルな2歳牝馬戦線は、8位以下もまだまだ僅差の争い。今後のレース次第ではガラッとランキングは変動していきそうだが、まずは有力馬がズラリと集う阪神JFの戦いに注目である。

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