マイルCSで狙うべきは「レースと縁がある血統馬」。唯一のディープインパクト産駒による波乱の可能性も (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 牝系も優秀で、日本のGⅠ馬には高松宮記念のキングヘイロー、JGI中山グランドジャンプのマジェスティバイオ、欧州のマイルGⅠ馬にはジルザル、ポリッシュプレセデントなどがいる。ここ数年では、昨年のJGⅡ東京ハイジャンプを制したラヴアンドポップ、11月12日のGⅢ武蔵野Sを勝ったギルデッドミラーが日本で重賞を勝利している。

 さらに、前述のように先週のエリザベス女王杯ではモーリス産駒ジェラルディーナが勝利し、スクリーンヒーロー産駒のウインマリリンが2着と、牝系、父系ともに勢いは申し分ない。ジェラルディーナに騎乗していたクリスチャン・デムーロ騎手鞍上というのも心強く、血統と人の勢いに乗っての勝利に期待する。

 もう1頭はディープインパクト産駒のファルコニア(牡5歳、栗東・高野友和厩舎)に注目したい。前走のGⅢ京成杯AH(中山・芝1600m)で重賞初制覇。1600mはそれが初勝利だったが、同距離では4戦して1勝、2着1回、3着2回と馬券圏内を外していない。芝1800mで4勝、2000mで1勝とスタミナもあり、こういうタイプは厳しい展開になるGⅠで力を発揮することが多い。

 ディープインパクト産駒はマイルチャンピオンシップで、2020年と21年を連覇したグランアレグリアをはじめ、4頭で5勝を挙げている。また、2012年3着のドナウブルーを皮切りに12頭で5勝、2着3回、3着4回と、昨年まで10年連続で馬券に絡んでいる。

 ファルコニアは2016年の勝ち馬ミッキーアイルと、母系のヌレイエフ、アリダーの血が共通。今回は人気薄となりそうだが、2014年に8番人気で勝利したダノンシャーク、2017年に7番人気で3着となったサングレーザーなど激走の例もある。唯一のディープインパクト産駒となるファルコニアの走りに要注目だ。

 以上、今年のマイルチャンピオンシップは、スクリーンヒーロー産駒ピースオブエイト、ディープインパクト産駒ファルコニアの2頭に注目したい。

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