久保建英は今夏に移籍するのか 地元スペイン人記者「欧州サッカー界の貴族たちの目にはスター選手として映っていない」 (3ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo

【欧州サッカー界の貴族たちの目】

 この記事の冒頭で私は、久保は飛び立つ準備ができている選手だと述べたが、実際に彼がどこまで高く飛べるのか、その限界がどこにあるのかはわからない。今は、まだそのタイミングではないと思うが、彼の潜在的な能力を考慮した場合、飛び立つ時期は遅かれ早かれやって来るはずだ。

 その場合、ラ・レアルよりも格上のクラブに移籍し、あらゆる資質をさらに伸ばす必要がある。しかし久保は次のステップアップには細心の注意を払いたいと思っているはずだ。なぜなら過去、レアル・マドリードとバルセロナという世界有数のビッグクラブに所属していたが、何らかの理由があり、その経験が必ずしも良いものではなかったからだ。

 彼はスター選手として飛び立つことを望んでいるが、そのためにはまだやるべきことがある。すばらしい選手なのは間違いなく、ラ・レアルではスターとしての地位を確立しているが、欧州サッカー界の"貴族たち"の目にはそうは映っていない。

 久保がより大きく羽ばたきたいと決断した時、彼にはレアル・マドリードとプレミアリーグというふたつの選択肢があるだろう。そして彼の特徴を加味した場合、レアル・マドリードに戻るのがベストだと私は思う。

 しかし、もし彼が自分の進化や万能な選手であることを証明したいのであれば、プレーのテンポやプレースタイルにより、今や世界で最も難しいリーグと言われるプレミアリーグで成功することに勝るものはない。

 彼にはイングランドで十分通用するだけの突破力やイマジネーションなどの高い能力がある。他国よりはるかに苦労するかもしれないが、久保にとってそれはすばらしいエキサイティングなチャレンジになると思う。彼のことを注視しているリバプールは、次のステップとしては悪くないだろう。

 リバプールは久保のようなテクニックのある選手が輝ける攻撃的なサッカーをしている。その最たる例がサラーだ。技術的に非常に優れた選手で、サイドからスタートして攻撃を生み出し、シュートポジションに入る。久保もそのプレースタイルにより、うまくいくはずだ。

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