三笘薫、ブライトンのELベスト16進出に貢献 遠藤航ほか日本人選手は明暗分かれる (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【苦しんだ遠藤航】

 結果を言えば、サン・ジロワーズはリバプールに2-1で勝利を収めた。しかしトゥールーズも勝ったため、サン・ジロワーズは2位に浮上することができず3位となり、ELの舞台から退くことになった。

 しかしむしろ町田と遠藤の関係は逆だった。楽観的になれるのは町田の方になる。サン・ジロワーズの左CBとしてフルタイム出場を果たし、攻撃にも積極的に関与した町田には、さらなる昇りの階段が待ち構えているように見える。

 遠藤は苦戦した。年齢的にも、またアンカーというポジション的にも、全軍をリードしなければならない立場にあるにもかかわらず、ピッチの真ん中で2度にわたりボールを奪われるなど、不安定なプレーを露呈させた。その結果、前半を終えるや、あえなく交代の憂き目に遭った。

 遠藤は先のプレミアリーグ対クリスタルパレス戦でも危ないプレーを見せている。決定的なピンチも招いていた。狙われている感すらあった。少々荷が重そうに映るのだ。ストッパー的な強さはあるが、リバプール級のチームではそれに加え、ボールさばきにおいて絶対的な巧さが求められる。中心的なポジションを担うに相応しいリーダーシップも求められる。ベストメンバー度2割で戦ったこの日の場合はなおさらである。

 グループBの首位攻防戦、ブライトン(勝ち点10)対マルセイユ(同11)は、ブライトンが首位通過を果たすためには勝利が不可欠な試合だった。

 逆に引き分けでもオッケーなジェンナーロ・ガットゥーゾ監督率いるマルセイユは、通常の4バックを5バックに変更して臨んだ。引いて守る作戦に出たわけだ。ピッチには、攻撃的サッカー(ブライトン)対守備的サッカー(マルセイユ)の構図が描かれた。UEFAのデータによれば支配率は57対43の関係だった。

 想起したのは前々日に行なわれたインテル対レアル・ソシエダ戦だ。5バックで守りを固めるインテルをレアル・ソシエダが攻め立てた一戦である。結果は0-0で、レアル・ソシエダはグループステージ首位通過を決めたが、インテルをレアル・ソシエダが崩しきれなかったと言うべき試合でもあった。

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