番記者が明かす、本田圭佑ミラン残留の真実。「夏にロスへ行くだろう」

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 それは長い、いや、長すぎるお別れ期間だ。本田圭佑のミランでの日々は砂時計の砂のように刻々と少なくなっている。契約が切れるのは6月30日。あと4カ月半である。その後、本田は自由の身になり、自分で自分の未来を決められるようになる。

 試合前のボール回しに参加している本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) 試合前のボール回しに参加している本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) それにしても本田とミランの関係は、なぜこんなにもバラバラになってしまったのだろう。日本の、そして世界の本田ファンは皆、一様にそう思っているはずだ。その答えはたったひとつだ。ヴィンチェンツォ・モンテッラは本田のプレーが好きではないのだ。だから本田に興味がない。

 モンテッラは素速くダッシュし、即座にトップスピードに乗れ、創造性があり、活発で、ダイナミックな選手を好む。たとえていうならスソやジャック・ボナヴェントゥーラのような選手だ。それに比べて本田は真逆だ。秩序を重んじ、理論だっていて、足が遅い。

 確かに本田は今シーズンのミランの他の選手にないような"足"を持っている。彼は30メートル先にも正確なパスを出すことができる。しかし、モンテッラはこのテクニックをあまり重視しない。彼がほしいのはよく走り、スピードがあり、疲れを知らない選手だ。車でいうなら、スピードの出るスパイダータイプ。快適で安全なSUVのホンダ車ではないのだ。

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