先発復帰のハンブルガー酒井高徳が語る「記憶喪失」と上位陣いじめ (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

「2-1になったのは覚えていたのに。87分の失点で、『やべ、2-2だ。ここまで頑張ってきたのに、なんであと3分が守れないんだ』と思って。で、コーナーキックの時に上(電光掲示板)を見たら3-2で、すっげー気持ちが楽になった」

 試合に集中しすぎて、自分たちの3点目を忘れていたのだというのだ。

「本当に2−2じゃなくてよかったと思います。よくあるんですよ、俺。もう集中しすぎて点が入ったのを覚えてないことが。ちょっと待って、俺ら1−0じゃねと思ったら1−1だったり......」

 嬉しさとおかしさが同時にこみ上げてくる様子だった。

 試合はハンブルガーがボルシアMGに先制されながらも、前半のうちに逆転に成功。試合の終盤にさらに1点を追加し、一時は3-1としていた。前節ケルン戦では、センターバックのミスで失点しながら追いついて試合を終え、勝ち点1を得た。その際、酒井は、失点にも下を向かず、もう一度立て直すことができたことが大きな収穫だったと語っていた。「大事だったのは、後半立ち上がりから攻撃的にいけたこと。僕らができるという証拠を見せたところだと思うので」と、ケルン戦後にコメントしていた。

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