本田圭佑にも影響。イタリア人記者が暴露するミラン補強失敗の舞台裏 (5ページ目)

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

 そして迎えた第3節のミラノ・ダービー。再び戦術の要衝である中盤とトップ下を入れ替え、8000万ユーロもの資金による補強メンバーを擁し、ミランは文字通り死力を尽くして戦ったがインテルに勝てなかった。

 上位進出(CL出場権獲得)の可能性は限りなくゼロに近いと目されるなかで、ミランは昨季の「10位」を上回ることができるのか。現状では、その総合力はローマ、インテル、ユベントス、フィオレンティーナ、ナポリ、ラツォオに次ぐ7位グループに属するといったところだろう。

 もっとも欠けている要素、つまり最大の問題は“攻撃面のクオリティの欠如”だ。ミハイロビッチ監督はダービー直後の会見でこう述べている。

「メネズの復帰を待ちたい」

 FWメネズはトップ下もこなせる選手である。ただ、メネズはダービーのつい10日前まで完全に戦力外とされていた選手でもあるのだが……。
 
 いずれにせよ、今季もまたミランは混乱し続け、クラブ首脳たちは反目を続ける。

 ダービーの前に催されたミランのチームイベントは、ガッリアーニに対する猛烈な抗議の場と化し、オーナーのベルルスコーニの娘であるバルバラ(「フィニンベスト」社顧問)は、抗議するティフォージたちに向かって明るくこう挨拶した。『今日この場に集まってくれてありがとう!』。クラブの首脳たちが、不毛な権力闘争を続けるミランが勝てると考えるほうがどうかしている。そして、失敗した補強戦略により作られたチームは、昨季と同じように苦戦を強いられるだろう。

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