J2ウォッチャー平畠啓史が今季見つけた、語らずにはいられない好プレーヤー5人 (4ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu

【U18所属でシーズン後半からフル出場】

市原吏音(大宮アルディージャ/DF)
いちはら・りおん/2005年7月7日生まれ/身長185cm、体重77kg

 まだ大宮U18の選手なんですが、26節から17試合フルタイム出場しているんですよね。それだけでもこの選手はすごい。

 あとどう見ても18歳の選手に見えない。外見は若いし好青年って感じなんですけど、プレーぶりが本当に落ち着いていますね。DFとして守備もうまいし、ボールも運べるし、パスも出せる。それだけじゃなくて周りの選手も励ますんですよ。えらい18歳やなと。

 試合を見たことはないですが、アンダーカテゴリーではリーダーシップをとっている選手だと思うんです。それを同じようにトップに入ってもできる。チームの状況も良くないなかで、周りは大人ばっかり。そんなところに18歳が入っていつも通りやれって言われても、それは簡単じゃないですよ。

 でも本人はそれを多分なんとも思ってない。「18歳なんて関係ないですよ」「世界から見たら遅いぐらいですよ」って感じに見えます。

 DFなんで冷静さはすごく大事で、市原選手は周りがすごく見えている。18歳でこれだけ落ち着いて、淡々とプレーできるのはいい選手。こういう選手が出てくるのが大宮のアカデミーの力ですね。前線や中盤でいい選手がいっぱい出てきていますが、DFでもこういったいい選手が出てくるのは、あらためて大宮のアカデミーの力を示しているなと。

 あとうまい選手に共通するところかもしれませんが、うまい選手はミスが大ケガにならないんですよ。自分も高校までサッカーやっていて、本当になんでかなと思うんです。ミスが失点に繋がったりとか、ミスがピンチを生み出す選手ってだいたい決まっているんですよね。

 誰だってミスはするんですよ。でもミスが失点に繋がらない選手っていて、それはうまい選手のひとつの条件かもしれませんね。

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