Jリーグ8月のベストイレブン「日本代表に呼びたくなる」「最も存在感を光らせている」選手らを独自選考 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【目を惹くG大阪の中盤】

 中盤は3人。1人目はFC東京の渡邊凌磨。4-2-3-1の「3」なら、どこでもプレーできる多機能型だ。右でも左でも1トップ下でも可という選手はそうザラにいない。昨季前半はサイドバックとしてもプレーしている。チームに好循環を促す潤滑油としての役割を担っている。

 出場時間はアタッカーではディエゴ・オリヴェイラに次ぐチーム2番目で、8月は4試合中フル出場2回と、そのオリベイラさえ上回った。与えられたポジションに相応しい動きができる適性エリアの広さ、頭のよさをここに来てより際立たせている。いそうでいないタイプ。東アジアE-1選手権があれば代表に呼びたくなる選手だ。

 13節から15節まで降格圏である最下位を彷徨っていたガンバ大阪。しかしそこから上昇に転じ、現在11位まで順位を上げた。要因は様々だが、パッと目につくのは外国人選手の質で、5人すべて上々だ。外国人枠さえ埋められないチームが目立つなか、稀なチームである。

 なかでも目を惹くのは中盤のダワン(インサイドハーフ)とネタ・ラヴィ(アンカー)だ。外国籍選手2人がコンビを組む中盤。Jリーグにありそうでない形である。その独得のリズム感、バランス感覚は新鮮かつ上等で、現在のJリーグで異彩を放っている。

 ダワンには得点力がある。177cmと大柄ではないが、ヘディングが強い。4-3と撃ち合いになった川崎戦(8月6日)でも、CKのボールを流し込んだヘディング弾を決勝ゴールとしている。ネタ・ラヴィは、ゲームをコントロールする今日色漂う上質なパスセンスが光る。

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