横浜FM、神戸、名古屋、浦和のJ1優勝争いを福田正博が解説 後半戦、抜け出すのはどのチームか? (4ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Kishiku Torao

【浦和は先を見据えた選手起用が実るか】

 一方で先々を見据えると、選手の起用法にブレがないのは浦和のポジティブな要素だ。神戸は大迫や武藤のプレータイムをひっぱり続けているのに対し、浦和は興梠慎三の使い方が一貫している。興梠はチーム総得点27の浦和にあってチームトップの4得点の働きを見せているが、それでも毎試合後半20分くらいで交代している。

 サッカーは年齢でするものではないとは言え、興梠も36歳。長いシーズンでコンスタントに力を発揮するには、温存すべき時があるのをスコルジャ監督が理解しているということだ。目先の結果にとらわれず、先を見据えた起用を貫くスタンスが勝負どころで花開くのを期待している。

 J1リーグの1位と2位で勝ち点差「3」、1位から4位までの勝ち点差は「6」。だが、まだ残りは14試合ある。優勝決定はリーグ終盤までもつれこむと予想しているが、そこで勝負を分けるのは、この夏場での戦い方にあると見ている。

 それだけに、各チームが今シーズンの先を見越した一手をこの夏に打てるかに注目していきたい。

福田正博 
ふくだ・まさひろ/1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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