サッカーマニア・平畠啓史が注目するJ2の5クラブ。各チームの特徴や面白ポイントを語った (4ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu
  • photo by Getty Images

【徳島ヴォルティス新監督の"分析"が楽しみ】

 新しい監督が加わった徳島ヴォルティスも注目です。スペイン路線は継続でベニャート・ラバインさんという方ですが、どんなサッカーをするか私は全然知りませんが、レアル・ソシエダのチームアナリストだったようで、現在35歳。おそらく選手としてプロ経験はないと思うのですが、だからこそ注目したい。

 日本ってどうしてもプロ経験のある監督が多いですが、別にプロ経験がなくてもいいと思うんです。プロ経験がなくても優れた人がやればいいチームになっていくというのが、もっと日本に定着してほしい。選手として才能がなくても、監督として才能がある人っていっぱいいると思うんですよ。ですからラバイン監督がどういうサッカーをやっていくのか注目したいんです。

 チームアナリストだったことで、J2のほかのチームをどう分析するかも楽しみなんですよね。例えば僕らは、水戸ホーリーホックはこういうサッカーするよね、いわきFCってこういうサッカーだよねって思ってるところがありますが、ラバイン監督からすると違う見え方になるのかもしれない。「お、そこを抑えるんだ!」とか「あ、そこは気にしないんだ」みたいなのが出てくるんじゃないかと。J2の新しい見方を見つけられたらすごく楽しいじゃないですか。僕らが思いもしないようなやり方とか出てくるかもしれません。

 選手ではFW柿谷曜一朗選手が加入したのは大きいですよね。これは徳島ファンの方も喜んでいるでしょう。ほかにも個の強い選手が入ってきましたよね。FW渡大生選手やFW髙田颯也選手など。特に髙田選手は柿谷選手と、もしかしたら波長があうんじゃないかと思っています。ドリブルとか見ていても、柿谷選手の若い頃とちょっと重なる部分もありますよね。お互い刺激しあって面白いことになるんじゃないかなと。

 あとJ2で衝撃を与えるんじゃないかと思うのがFW千葉寛汰選手。昨年は清水からの期限付き移籍で、FC今治で活躍した選手です。どんな形でもゴールが取れる選手で昨年は12ゴール。どこからでもしっかりシュートアングルが作れるので、コンスタントに点を取れると思います。とびきり足が速いとか、とびきり背が高いとか、そういう選手ではないですが、点を取る技術がある選手。それはマネしようと思ってもなかなかできない才能だと思います。こういう個性的な選手が新しい監督のなかで混ざり合ってまとまったら、徳島は本当に面白いチームになりそうです。

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