サッカー日本代表の毎度もめる1トップ論争に鄭大世が見解 「理想はスピードのある大迫勇也。ただ、そんな選手はここ10年出ていない」 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

【1トップ候補、それぞれへの見解】

 前田選手、浅野選手以外の候補選手についても触れたいと思います。まず古橋亨梧選手(セルティック)に関しては、僕も呼んでほしいと思っている側の人間です。ただ、代表チームはタイミングがあって、森保監督としては呼びたいけど、今はちょっとこっちの選手のほうが使ってみたいとか、往々にしてそういうことは起こります。

 セルティックでのゴールシーンを見ても裏への抜け出し方やスピードは、それこそ前田選手よりもいいと思います。なぜここまで呼ばれないかは、正直、森保監督に聞いてみないとわかりません。でもいずれは呼ばれると思うので、楽しみにしたいと思います。

 上田選手は先ほども少し触れましたが、監督としては正直もうちょっとできることを増やしたら、先発としては使いやすくなるのではないでしょうか。ボックスの中では抜群だけど、それ以外のクオリティがあがると最高ですね。

 彼を使う状況としては、ビハインドで後半残り10分、15分のなかで、絶対に点がほしい場面。個人的に一番好きな選手です。

 町野修斗選手(湘南ベルマーレ)は、平均値の高い選手で、森保監督も大迫選手の後釜として期待していると思います。ゴールへの嗅覚もさることながら、ポストプレーで周りを使うことがうまいので、かなり将来が楽しみですが、アメリカとの親善試合でJリーグでは体感できない屈強な守備と対戦した時に押さえ込まれる場面が多かった。国際舞台の経験が不足していると感じます。

 どこからでも点は取れるけど、ヘディングはそこまで強くないのでパワープレーとしては使いづらい。上田選手もそうですけど、点を取ってくれるけどチームをうまく回せる選手ではないので、使うとしたら途中出場になると思います。

 個人的に今後期待している選手は、柏レイソルの細谷真大選手。ボックスプレーヤーでもあって体も張れるし、走力もあって前も向けてゴリゴリいけるタイプです。1トップにピッタリの選手像だと思います。

 ただ、まだ成熟しきれてないんでしょうね。Jリーグでは通算15点、カップ戦合わせても18点しか取れていない。せめてJリーグではもっと結果を出さないと、代表に呼ばれるだけの説得力がない。まだ21歳なので、これからに期待しています。

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