サッカー日本代表、激闘の数々の証言。ドイツ戦で選手たちは何を考えていたのか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 日本が目標とするベスト8進出を成し遂げるために、とりわけ重要な試合となるのが、初戦のドイツ戦だ。

「ワールドカップに限らず、グループリーグは初戦が大事」(酒井宏樹)

「初戦はどんな大会でも簡単ではない。グループリーグを突破するうえで(初戦の)ウエイトは大きい。自信を持って、勇気を持って、戦うことが大事になる」(吉田麻也)

「自分たちが日本人の価値をこの大会で高めないとダメだと思っている。優勝候補やいいチームに勝つことで、世界からの見られ方を変えられる。自分たちの価値を高めるうえでも大事だと思う」(鎌田大地)

 ドイツ戦前日。選手たちに必要以上の高ぶりは感じられない。

「いよいよ始まるなという気持ち。ここまでいい準備ができている。ワールドカップで優勝したことのあるドイツに対してどれだけやれるのか。興奮と不安があるが、この機会に日本が成長した姿を見せたい。世界に大きなサプライズを起こせたらと思う」(吉田)

「日本代表としてベスト8に行くことを目標にやってきた。(自分が)新しい歴史に関われたら最高。日本としても、僕個人としても、価値を上げていくことにチャレンジしたい」(守田)

「東京五輪の初戦も結果を出している(自身のゴールで南アフリカに1-0と勝利)ので、そこはポジティブに捉えたい」(久保)

 そして、迎えたドイツ戦。日本は序盤からドイツに押し込まれ、劣勢を強いられる時間が長く続いた。

「前半は戦術的なギャップがあった。(数的優位を作られて)1対1でやらせてもらえない瞬間が両サイドであった」(長友佑都)

「(2列目で流動的にポジションをとるトーマス・)ミュラーと(ジャマル・)ムシアラを捕まえるのが難しかった」(吉田)

 それでも、どうにか持ちこたえていた日本だったが、前半33分、ドイツにPKを与え、先制点を許してしまう。

「前半はチャンスというチャンスがなかった。(ドイツを)リスペクトしすぎて、引きすぎて、前へ行くパワーがなかった。前半のままなら何点も入れられていた」(伊東純也)

 だが、劣勢が続いた前半も、終わってみれば最少失点にとどめる0-1。

「ネガティブにならず、ブロックを作って我慢しようと、焦ってはいなかった。前半を1失点に抑えたことがすべて。前半に2点目を決められていたらキツかった」(長友)

「試合を見ながら0-1ならいけると、(堂安)律と(南野)拓実と3人で話していた」(浅野拓磨)

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