困ったときに呼ばれる今野泰幸。ロシアW杯に34歳の居場所はあるか (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 切れ味鋭いドリブルを生かし、3試合すべてに出場したFW伊東純也(柏レイソル)は、韓国戦でPKを奪うなど、求められる役割をこなした。ただし、同じドリブラーのFW乾貴士(エイバル)と比べれば、プレーの精度は勝っているとは言えず、インパクトを与えるほどの活躍はできなかった。

 3試合すべてでジョーカーとして起用されたFW川又堅碁(ジュビロ磐田)は、北朝鮮戦、中国戦と2試合でゴールに絡み、韓国戦でも終盤に惜しいシュートを放つなど、"使える"選手であることを印象づけた。もっとも、限られたチャンスで結果を出すことが求められるのがジョーカーであるとすれば、チャンスがあったにも関わらずゴールを奪えなかったことがマイナス査定となる。その意味で、こちらもアピールに成功できたとは言えない。

 よもやの右サイドバックとして起用されたDF植田直通(鹿島アントラーズ)は、意外と器用なところを示したが、今大会ではあくまで人材不足のなかでの緊急措置であり、ハリルホジッチ監督も、今後もここで使っていくとは考えていないだろう。やったこともないポジションなのだから致し方ないのだが、動きのぎこちなさは隠しようもなく、これからの半年間でモノにできるとも思えない。プレーの幅が広がったという意味では、植田にとってはよかったかもしれないが、戦力という意味では大きな期待はかけられないと思われる。

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