「怒るハリル」に呆れる。20分で失速した理由を理解できているのか (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 例えば、守備の要であるCB2人を、昌子源と槙野智章が組んだことは過去に一度もない。これにアンカーの遠藤航と3人で後ろを固めたわけだが、ミスが出ないほうが不思議だ。

「チームの底上げを図りたい」がコンセプトなら、なぜ、それぞれの試合に従来のスタメンとサブを均等に配置しなかったのか。フィールドプレーヤー10人のうち、従来のスタメンを5人、従来のサブを5人で組ませて、戦おうとしなかったのか。いい頃合いでミックスしなければ、サブの底上げは図れない。戦術も浸透しない。

 長友佑都以外、ほぼ全取っ替え。これは虫干しも同然の仕打ちに他ならない。このメンバーに何を期待していたというのか。強化になると思っているのか。

「こんなひどい試合は見たことない。私が監督になって3点も奪われた試合はないのだから」と呆れかえるハリルホジッチのほうに、こちらは呆れかえってしまう。これでもし、遠藤、槙野、昌子が使えない選手だとの烙印を押されるならば、アンフェア極まりない。

 ハイチ戦。それでも立ち上がりは上々だった。7分に倉田秋、17分に杉本健勇のゴールにより、あっさり2-0とリードする。サブ組にしては上々の出来と言えたが、同時にハイチの酷さも目につくのだった。

 ハイチのマルク・コラ監督に言わせれば、「前半20分はプレーしていない状態だった。選手はまるで観客のように相手を見てプレーしてしまった」となる。

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