長谷部誠が吐露した敗因「コンフェデの経験を生かせなかった」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

「僕らは、大会を迎えるにあたって、最高の準備をしたと思うけど、そういう中でこうした試合しかできなかったのは、W杯の初戦で、ナーバスな(守りに入るような)試合への入り方をしてしまったからだと思う。それは、昨年(6月)のコンフェデレーションズカップ初戦のブラジル戦でも起きていたこと。結果として、その経験を生かすことができなかった。それは、言い訳ができないことだと思う」

 初戦のコートジボワール戦(1-2)の悪い流れを引きずってしまったのもあるだろうが、続く2戦目のギリシャ戦(0-0)では、相手がひとり少ない状況にもかかわらず、最後まで崩し切れなかった。コンフェデレーションズカップでは、イタリア(3-4)と互角に打ち合うこともできたが、今回はそうした試合もなく、余りにも寂しい内容と結果になってしまった。

 長谷部自身は、コートジボワール戦が54分、ギリシャ戦が45分の出場で、コロンビア戦はフル出場を果たした。大会直前のアメリカ合宿では、負傷の影響もあって、テストマッチ2試合には出場しなかった。それゆえ、本大会では出場機会もかなり減るのではないかと思われたが、3試合すべてのピッチに立った。個人的には、やり切った感はあったのだろうか。

「それは、難しい……。自分はこの4年間、このW杯のためにやってきただけに、この結果は非常に残念、としか言いようがない。ただ、今回わかったこともある。サッカーは世界の文化であって、強豪国はサッカーが文化として根付いている。これから日本が強くなるためには、選手が成長していくのが大前提ですけど、W杯のときや代表の試合だけでなく、日頃から多くの人たちに日本のサッカーを厳しい目で見てもらわなければいけない。それが(サッカーを)文化として根付かせていく。そういうことも、重要だと思います」

 ブラジルW杯で世界の厳しさ、本物の強さを改めて痛感した長谷部。彼が今後、国内外へ伝えていくべきことは、決して少なくないはずだ。

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