ナイジェリアに連勝。2013年最終戦で示したなでしこの方向性 (3ページ目)

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 もちろん、ここから生き残る新戦力たちは、なでしこ流を身につける努力が必要だ。しかも必要なのは、これまで経験したことがないようなレベルの努力だ。迷っていた数カ月前ならいざ知らず、ベテランたちはすでにその先のイメージのヒントをつかんだようだ。彼女たちの爆発力が発揮されれば、その差はますます広がるばかり。何倍もの努力がなければ、その背中を見つけることもできない。同じピッチに立った選手ならば、それを肌で感じているはず。おのずとやるべきことは示されている。

 また、佐々木監督の起用も変わってきたように感じる。2013年の前半は「経験を積むことが大事」と、若手の起用を重視してきた。しかし、アルガルベカップ直後から、「代表はいいプレイをしたら定着できるチャンスの場でもあり、マズい動きをすれば、二度と呼ばれない厳しい場でもあるということを肝に銘じてほしい」と、試合で本来の実力を発揮できない新戦力たちに苦言を呈してきた。これまでの佐々木監督からすると珍しい手法である。それほど、もう一度世界を目指すためには、+αとして、若手の躍進が必須なのだ。

 残念ながら、大漁というわけにはいかない現状ではあるが、佐々木監督は「選手たちはよくやってくれた。どう組み合わせていくか分析しながら、いい材料にして来年につなげたい」と、来年への意欲を見せた。

 来年はワールドカップ予選であるアジアカップが行なわれる年。今年一年難しい年だったからこそ、2014年は"なでしこジャパン"としての確かな成長を見せてほしい。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る