ロッテ→阪神→DeNAを渡り歩いた久保康友が日本プロ野球界を嫌う理由「残りたいとかも思わないし、残る価値もない」【2023年人気記事】 (2ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by Kyodo News, Suzuki Toshiki

── 阪神タイガースという球界屈指の人気チームに行ったから、よけいにそういう部分に目がいったということもありますか?

「いや、阪神に行く前からちょいちょい......ロッテの時からすでに(そう思いはじめていた)。そもそも、一般人からプロ野球選手になった時点で、周りの対応がすんーーーごい変わるんですよ。集まってくる人の種類も変わるんで、そこでまず『ん? なんなん、これ?』となる。

 でも、周りの選手を見ると、みんなめっちゃ喜んでいるんですよ。逆に、みんなそのためだけに野球やっている感じにも見えましたし。『なんだ、この世界は?』と。現役の時は僕も一生懸命やりましたけど、現役じゃなくなったら正直『もう近づきたくもない世界やな』って思った」

── 独立リーグに在籍していた時、久保投手の言う「違和感を覚える世界(日本プロ野球界)」を目指していた若者もチームメイトにたくさんいたと思います。そういった選手たちにはどのように伝えていたのですか?

「もちろん、関わった選手たちの想いが実るようにサポートはしてあげたいし、実際にしていました。どういう現実が待っていたとしても、その選手にはその選手の価値観があって、今、プロ野球に行きたいと思っているのは事実なんで、それに対してアドバイスはします。

 そこで『あかん世界だよ』と言ってしまうのは、それは僕の価値観。それを押しつけちゃ絶対にダメです。まぁ、僕は歳を食っているので、その選手がハッピーになるように情報を提供したり。それ(自分の価値感を押しつけること)をしてしまったら、もうただの嫌なオッサンですよ。老害です(笑)」

── 話をドイツ野球に移します。ハンブルクの選手の大半は仕事をしているのですか?

「空港で働いている奴もいますし、市場で働いている奴もいます。自営業もいますし、モデルをやっている選手もいます。いわゆる一般的な社会人で、それぞれが働いていますよ」

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