高木豊がセ・リーグの助っ人たちを4段階で評価 人数過多の巨人は「起用する側に問題があった」 (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

◆巨人【野手☓/投手△】

 昨季に続きBクラスに終わった巨人。ピッチャーを中心に多くの助っ人を獲得したが、際立った成績を残した助っ人はいなかった。打つほうでは攻守での活躍が期待された(ルイス・)ブリンソンが振るわず、昨季23本塁打を放った(アダム・)ウォーカーも今季は不振に終わった。

「ブリンソンはバッティングも守備も能力が高いと思うのですが、すぐに代えられてしまっていた。何度かあった走塁ミスの印象が強いのか、我慢して起用できないんでしょうね。秋広優人が外野に回るなど外野手が増えてきて、首脳陣が誰を使っていいのか迷っていたこともあるかもしれません。使い続けたら面白い選手だと思っていたので、残念でした。

 ウォーカーは打席数が昨季から300くらい減って、ホームラン数も約1/4になりました。ただ、それはチーム事情が影響していて、助っ人が多くなると外国人枠の問題もありますし、成績も何もあったもんじゃない。試合に出られるかわからなければモチベーション維持も難しいです。ウォーカーからすれば、『なんのために、昨季にあれだけ頑張ったんだ』という思いではないでしょうか。

 それと、巨人の助っ人投手は(フォスター・)グリフィンにしろ、(タイラー・)ビーディにしろ、使い方によってはいい成績を残したと思うんです。特にビーディは、打線が点を取れなかったから勝てなかった印象が強い。助っ人たちを競争させたりもしていましたが、僕は起用する側に問題があったと思います。もったいなかったなと。

 そんな中で(ヨアンデル・)メンデスはよくやったと思います。当初の立ち位置としたら優先順位の低い助っ人でしたが、試合をよく作っていましたし、防御率もいい。フォアボールも少なく、制球がよかったですね。少しマウンドでイライラするところがありますが、メンデス個人は◯です。

(アルベルト・)バルドナードもよかったですね。シーズン途中の加入でしたが、13試合連続無失点に抑えるなど安定していました」

【助っ人外国人の成績】

(野)ブリンソン 88試合 打率.248 11本塁打 35打点 出塁率.272 OPS.694

(野)ウォーカー 57試合 打率.263 6本塁打 20打点 出塁率.275 OPS.758

(投)グリフィン 20試合 6勝5敗 防御率2.75 QS率65.0

(投)メンデス 16試合 5勝5敗 防御率2.07  QS率56.3

(投)ビーディ 30試合 0勝6敗7ホールド1セーブ 防御率3.99  QS率16.7

(投)バルドナード 21試合 2勝1敗7ホールド 防御率1.69

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