阪神黄金時代到来のカギを握る8人の若虎 将来のエース、次世代を担う4番候補も (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

森木大智(投手/20歳/右投右打/2021年ドラフト1位/高知高)

 高知中3年時に中学軟式で最速150キロをマークし、「スーパー中学生」と脚光を浴びた大器。高知高では外部からの心ない声に悩まされた時期もあったというが、強いメンタリティーで立ち直り高校3年夏には最速154キロを計測。甲子園出場こそなかったものの、阪神にドラフト1位指名を受けてプロ入りした。

 プロ1年目から一軍マウンドを経験するなど順調な滑り出しに見えたが、2年目の今季に暗転。フォームを崩して実戦マウンドから遠ざかる時期もあり、ウエスタン・リーグの防御率は6点台。シーズン後は台湾開催のアジアウインターリーグへ派遣される予定だったが、フォーム固めを優先するため見送られた。

 高校時代からアームアングルの位置を微修正するなど、繊細な面と神経質な面が紙一重で存在していた。今はもがき苦しんでいるとはいえ、プロ2年目で成否の結論を出すのは早すぎる。大ジャンプする直前のかがんでいる状態と前向きにとらえたい。

門別啓人(投手/19歳/左投左打/2022年ドラフト2位/東海大札幌高)

 高校時代は左腕特有のクロスファイアーと鋭いスライダーを武器に、高校生離れした完成度を誇っていた。「2ストライクで追い込んだあとの決め球は気持ちで投げたい」と語り、3年春の札幌地区予選では1試合20奪三振の快記録も残している。

 プロ1年目の今季はウエスタン・リーグで55回を投げ、防御率2.78と活躍。9月には高卒新人ながら一軍に昇格し、9月30日の広島戦では先発デビュー。5回無失点と結果を残した。

 プロ入り後、ストライクゾーンが狭まることで苦しむ高卒投手も多いなか、門別にはそんな戸惑いが感じられない。ストレートのキレと精度をさらに高められれば、来季から戦力になる可能性は高いだろう。伊藤将司、大竹耕太郎と生きた見本から盗めるだけ盗みたい。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る