セ・リーグGグラブ受賞選手を飯田哲也がチェック 菊池涼介を破った中野拓夢の評価は? (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

再三の攻守でチームを救った阪神・中野拓夢 photo by Sankei Visual再三の攻守でチームを救った阪神・中野拓夢 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る── 捕手は坂本誠志郎選手(阪神)が初受賞しました。投手以外は「試合数71試合以上(ペナントレースの約2分の1)が条件です。

飯田 過去、ゴールデン・グラブ賞を3度受賞している正捕手の梅野隆太郎選手は、ケガもあって出場はちょうど71試合でした。梅野選手とともに阪神投手陣を支え、84試合に出場した坂本選手は「陰のMVP」と言っても過言ではありません。優勝への貢献度が高かった司令塔としての印象が強かったです。

── 捕手は出場試合数以外に、どのようなところが基準になりますか。

飯田 リード、キャッチング、盗塁阻止率の比較で選出されると思いますが、リードとキャッチングは優勝したことで証明されたと思いますし、盗塁阻止率もリーグ3位の.355です。WBCで日本の世界一に貢献した中村悠平選手(ヤクルト)は試合数104、失策0、盗塁阻止率.407でしたが、やはりリーグ優勝の結果が大きかったのか、坂本選手が上回る結果となりました。それにしてもDeNAが「捕手3人制」を敷くなど、キャッチャーも分業制の時代になってきましたね。

【名外野手の条件とは?】

── 一塁は大山悠輔選手(阪神)が初受賞しました。

飯田 一塁は、過去に受賞経験のある中田翔選手(巨人)が74試合、本来は三塁を守る岡本和真選手(巨人)が75試合なのに対して、大山選手は143試合を守りました。今年のセ・リーグの一塁手のなかでは、大山選手が断トツだと思います。2020、21年と受賞したダヤン・ビシエド選手は動けなくなりましたね。

── 二塁は10年連続受賞していた菊池涼介選手(広島)を、今シーズンから二塁を守った中野拓夢選手(阪神)が3票差で抑えました。

飯田 セ・リーグの有効投票300票中、中野選手が110票、菊池選手が107票でした。今季、菊池選手は3失策で守備率は.995は二塁手のなかでトップです。中野選手は9失策しましたが、全143試合に出場(菊池は116試合)、守備機会779(菊池は550)と菊池選手を大きく上回りました。たしかにうまいのは菊池選手ですが、今年は守備機会も含め中野選手はチームを救う守備をたくさんしました。中野選手で問題ないです。

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