ドラフト注目投手を名物記者が語り合う「ロマンの塊」「2ケタ狙える逸材」は誰? (4ページ目)

  • 菊地高弘●構成 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

【前田悠伍は鋼のメンタルの持ち主】

加藤 私のようなメディアの人間は「158キロが出た!」などと大騒ぎしてしまうのですが、それだけじゃないんですよね。その意味で名前を挙げたいのは古謝樹(桐蔭横浜大)。対戦したバッター、受けたキャッチャー、みんな「体感スピードが速い」と言うんですよね。

菊地 体格は違いますが、和田毅(ソフトバンク)のようなサウスポーですよね。僕は大学生左腕で細野の次に評価しています。

加藤 古謝は写真の撮りがいがあるんですよ。ボールを持つ左手が最後の最後まで出てこない。見えない、見えない、見えない、ピュッ......みたいな感じ。これはバッターもタイミング取りにくいだろうなって。

菊地 すごくわかります。球場で写真を撮る方なら共感していただけると思うんですけど、リリースの瞬間を撮りやすいピッチャーと撮りにくいピッチャーがいるんです。古謝や武内は、リリースの瞬間を一発でとらえきれない。だいたいリリースした直後を撮っているんです。それってつまり、バッター目線でも「リリースのタイミングがつかめない」ことにつながると思うんです。カメラマンに「リリースの瞬間を撮りにくい投手ランキング」をつけてもらったら、タイミングのとりにくいピッチャーが見つけやすくなるかもしれません(笑)。

加藤 それは面白いかもしれないなぁ(笑)。

菊地 そういえば、古謝は巨人のドラフト1位候補に名前が挙がっていました。スポーツ報知としても、放っておけない存在ですよね。

加藤 先発ローテーションを任せられる左ピッチャーはどこもほしいですからね。大学日本代表で揉まれて、ひと回り大きくなりましたし。細野や武内の東都勢と接するなかで、大きな刺激を得たようです。そんな吸収力も魅力のひとつでしょう。

菊地 ここまで大学生投手の話ばかりですが、それ以外でドラフト1位候補の投手といえば前田悠伍(大阪桐蔭)でしょうか。

加藤 私はU−18ワールドカップの取材で台湾まで行きましたが、まぁすごかった! あれは「前田悠伍の大会」でしたよ。

菊地 「馬淵JAPAN」じゃなくて、もはや「前田JAPAN」でした(笑)。

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