阪神・関本賢太郎が思い出したくない「33-4」の日本シリーズの記憶 ロッテホームは「威圧的だった」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

【いいところを出せなかった2試合】

――阪神は第1戦で1-10、第2戦は0-10と大差で敗れました。どちらも先制点を取られ、中盤から終盤にかけて集中打を浴びてビッグイニングを作られる展開でしたが、2試合を終えてどう感じていましたか?

関本 なんて言うんですかね......。2005年の阪神は投打ともに充実していて、2003年にリーグ優勝した時よりも完成度の高いチームだったと思うんです。どちらかといえばピッチャーのチームではあったのですが、完封負けするような打線ではありませんし、2試合連続で10失点するようなピッチャー陣でもないわけです。なので、投打ともにいいところを出せないまま、2試合が終わってしまったという感覚でしたね。

――ポイントゲッターの金本知憲さんや今岡真訪さん(当時の登録名は今岡誠)が第1戦、第2戦と無安打に抑えられてしまったことも痛かった?

関本 痛かったですね。赤星憲広さんらが出塁して、金本さんや今岡さんが還すというのが主な得点パターンでしたし、逆にロッテ側とすれば、勢いに乗られたら困る存在でしたでしょうから。阪神としては金本さんや今岡さんを止められ、逆にロッテで乗せたらいけない西岡剛や今江敏晃を乗せてしまいましたよね。特に今江には、第1戦で4安打されて、第2戦でも4安打されましたからね(日本シリーズ新記録となる8打数連続安打)。

――ロッテの勢いに飲み込まれた感覚はありましたか?

関本 飲み込まれたといえばそうなのかもしれませんが、「試合展開をうまく握ることができなかった」という感じでしたね。第1戦で大敗していましたから、次の試合の序盤はゲームを支配しなければいけないのですが、先頭の西岡にいきなり二塁打を打たれたことをきっかけに先制され、また後手を踏む展開になりました。それで渡辺さんにもいいピッチングをされ、苦しい展開になってしまいました(渡辺は第2戦で完封勝利)。

――阪神は先発の安藤優也さんが6回裏、サブローさんやマット・フランコに本塁打を打たれて降板し、2番手の江草仁貴さんも李承燁(イ・スンヨプ)に本塁打を打たれるなど、ロッテに突きはなされてしまいました。

関本 江草はシリーズ初登板でしたが、ロッテ打線に完全に火がついてしまった状態での登板でしたからね。ベニー(・アグバヤニ)の打席では3回も暴投していましたが、このあたりは流れでこうなってしまったんですよ。試合展開が完全にロッテの流れでしたから。

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