ヤクルトのドラフト1位は「即戦力投手」か。黄金期到来へ「長岡秀樹のライバル」「有望左腕」も狙いたい (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masaahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 そして左腕だ。

 緩急と変化球の制球力を駆使して都市対抗での快投が印象的だった佐藤廉(ヤマハ/178センチ・70キロ/左投左打)に、小柄でも145キロ前後のクロスファイアーで右打者の懐を突ける攻撃的なピッチングが魅力の伊原陵人(大阪商業大/170センチ・72キロ/左投左打)を、2、3位あたりで狙いたいところだ。

長岡秀樹の競争相手も狙いたい

 あまり目立たないが、今季のヤクルト躍進の立役者のひとりが、高卒3年目の遊撃手・長岡秀樹である。119試合に出場して、打率.241、守備率.979はセ・リーグの遊撃手でトップの数字である。

 昨年までファームだった20歳の選手が、心身の負担が大きい一軍の遊撃手というポジションを1年間守り続けたのだから、その"反動"は考えておきたい。今季の奮闘を肥やしにして、たしかな存在になってくれればいいが、逆の可能性もある。

 小力があって、小技も効いて、脚力とディフェンス能力が即戦力級となると、村松開人(明治大/171センチ・80キロ/右投左打)と門脇誠(創価大/171センチ・80キロ/右投左打)が候補に挙がる。ともに長岡と同世代の元気者だ。お互い刺激し合いながら成長できれば......そんな期待も込める。

 また将来の投手陣を支えてくれる左腕も補強しておきたい。

門別啓人(東海大札幌高/182センチ・85キロ/左投左打)に坂本拓己(知内高/180センチ・85キロ/左投左打)は、昨年の木村大成(北海→ソフトバンク3位)に続いて、北海道から現れたサウスポーの逸材だ。どちらかが獲れたら、4、5年先のヤクルト投手陣の未来が一気に明るくなる。

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