DeNA今永昇太「おそらく僕は完全試合をしないと納得できない」 (4ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

―― 4月22日の巨人戦、勝ち星はつきませんでしたが、菅野智之投手との投げ合いは印象的でした。

「僕はただもう一生懸命でした。そのなかで菅野さんは巨人という日本を代表するチームを背負うプレッシャーがあるというのに、余力を残しながら素晴らしいパフォーマンスを見せている。だけど、それを見て単にすごいなと思ったら憧れの存在で終わってしまうので、僕もいつか菅野さんみたいに“エース”と呼ばれるピッチャーになりたいと」

―― そう思いながらマウンドで勝負していた?

「はい」

―― 今永投手は、試合中に修正をしながら調子を上げていくタイプだと感じるのですが……。

「ただ漠然と今日はダメだとか、うまくいかないではなく、何がダメで、果たしてそれは直せそうなのか考えながらピッチングしています。それをひとつひとつ整理することによって大ケガをしないで済むかなと。投げられもしないボールを投げてそれが外れて、次に今日は真っ直ぐが走っているのにそれを打たれて自信を失ってしまう。そういったパターンになりがちだったので、まずは整理をして落ち着くことが大事だと思っています。自分を客観的に見て、試合の流れを感じとる。悪い試合こそ、あえていいところを見つけて、好投したときほど悪いところを見つける。そういった反省をすることによって、常に満足しない考え方ができると思うんです」

―― それにしても22歳にしてその哲学はどこからきているのですか?

「僕はこう見えて完璧主義者なんですよ。理想が高くなり欲を出してしまうところもあるのですが、おそらく僕は完全試合をしないかぎり納得するコメントを出すことも、満足することもないと思いますね」

(つづく)

●プロ野球記事一覧>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る