大谷翔平と真っ向勝負できるブルージェイズ先発陣 菊池雄星との花巻東高「先輩後輩対決」筆頭にすべてが見どころに (2ページ目)

  • 奥田秀樹●取材・文 text by Okuda Hideki

【メジャートップクラスの左腕・菊池雄星】

 4月27日(日本時間28日)の第2戦は花巻東高校の先輩、菊池雄星(32歳)と対峙する。大谷はメジャー7年目で圧倒的なメジャーの看板選手だが、菊池も渡米から数年間、悪戦苦闘した末、6年目でリーグを代表する左のパワーピッチャーに成長した。その進化は称えられるべきだと思う。昨季は32試合に先発し、11勝6敗、防御率3.86。今季は5試合に先発し2勝1敗、防御率2.28である。

 今の菊池はすでにニューヨーク・ヤンキース相手に2試合好投しているように、アーロン・ジャッジやフアン・ソトのようなメジャーのトップ打者であっても圧倒できる力がある。本人も「メジャーで6年目ですが、これだけ自信を持って投げられているのは初めてです」と手応えを口にしている。

 大谷のvs.菊池の通算成績は20打数6安打1四球、6三振。3本塁打、1二塁打、打率は3割だ。

 初めて対戦したのは2019年の6月8日。スライダーを二塁内野安打、カーブを一ゴロの後、75マイル(120km)のカーブを左中間本塁打とした。この年はほかに2試合対戦したが4打数1安打1四球だった。

 とはいえ、当時の菊池は大谷との勝負云々ではなく、メジャーで果たして先発投手を続けられるのかどうか、疑問符がつくレベルだった。1年目は6勝11敗、防御率5.46で、36本塁打を浴びたからだ。2年目も2勝4敗で防御率は5.17。とはいえ、菊池は菊池なりに進化をしていた。例えばフォーシームの平均球速は1年目の92.5マイル(148km)から2年目は95マイル(152km)に上がった。

 そして3年目の2021年は、フォーシーム、スライダー、チェンジアップで空振り率が30%を超え、前半は6勝4敗、防御率3.48の好成績でオールスターに選出された。大谷とは6月5日に対戦。真ん中に入る94マイル(150km)のカッターを左中間本塁打とされたが、2打席目はスライダーで空振り三振。7月17日の対戦でもスライダーで遊飛、フォーシームで見逃し三振、スライダーで空振り三振と抑えた。後半は成績を落とし、防御率は4点台に下降したが菊池なりにステップアップはしていた。

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