MLB開幕戦の韓国に大谷翔平ファンクラブが存在  大谷愛を綴る書籍まで出版した会長を直撃 (2ページ目)

  • 吉崎エイジーニョ●取材・文 text by Yoshizaki Eijinho

【最初は反発「韓国をナメてるのか」】

 もともと野球が好きなわけではなかった。日本文化との接点は「幼少期に聞いたX JAPANのファン」という程度。

 そんなイ氏が、大谷翔平を初めてテレビで見たのは、2015年のプレミア12でのことだ。「スポーツの日本戦はみんなが見るから自分も」といった考えだった。

「先発ピッチャーとして彼が出てきたんです。最初に見た時は、大柄ではあったのですがその童顔に驚きました。『この顔が日本の先発?』と。日本は韓国をナメてるのか、と思ったりもして」

 当時の大谷は北海道日本ハムファイターズに入団後3年目。15勝で最多勝を獲得したシーズン終了後のことだ。この日は6回を投げ、10奪三振の快投を見せた。

「とにかく韓国のバッターが彼の球を打てないわけですよ。バットにボールが当たらない。野球をよく見ない僕の目にもレベルが違うのがわかりました。最初はさしたる興味もなく見ていた試合でしたが、驚き、そしてひとつひとつの投球をじっくり見るようになりました。むしろ打てない韓国の打者に腹を立てたりもして。ショックもありました。そこで逆に気になって、彼のことを調べたんです」

 日本では当たり前のように「二刀流」が知られた存在だったが、当時の韓国ではそこまでの情報は伝わっていなかった。イ氏にとってはとにかく「童顔なのにすごいボールを投げる投手」が第一印象。「その大会では確か2試合で投げて13イニング無失点だったと思います」。イ会長が記憶するデータは正確だった。確かに大谷は大会でその結果を残した。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る