メジャーの超大物たちが15年前に語っていた「イチローの衝撃」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Getty Images

 デビッド・エクスタイン(当時エンゼルス/内野手)は、2006年のワールドシリーズでMVPを獲得するなどメジャーを代表する遊撃手だが、この年、2001年は初めてメジャー昇格を果たした期待の新人選手だった。

「彼のスピードにディフェンスが変えられてしまう。ボールがバットに当たった瞬間、一塁に向かって走っているからね。僕にとって、足が速くて、コツコツと当ててくるタイプの打者は守っていて興奮するんだ。ギリギリのプレーになることはわかっているので、定位置より浅めに守り、打った瞬間にチャージをかけて突進するんだよ。ただイチローは例外で、正面に打ってくれと願っているさ(笑)。本来、左打者の場合はセカンドベース寄りに守るんだけど、イチローのときは定位置だったり、サードベース寄りにシフトすることもある。彼の打球が三遊間に飛んだ場合、セカンドベース寄りにいるとアウトにするのが難しい。さらに彼は、ハードな打球も打てるので、ただ浅く守ればいいわけではない。しかも出塁されると、これがまた厄介なんだ(笑)」

 今、メジャーでプレーしている選手に聞いても同じような答えが返ってくるのではないだろうか。年を重ねたとはいえ、今もプレースタイルが変わらないイチローを見ていると、そんなことを思ってしまう。そして、ここに並んだ名前を見て「懐かしさ」を感じるのは、すでに彼らが現役を終えているからだろう。だからこそ、いまだ現役でプレーしているイチローのすごさがより際立って見える。

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