前田健太のメジャー新人王を阻む「とんでもない2人の遊撃手」 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 ストーリーにとって、トゥロウィツキーは学生時代からの憧れの選手でした。よって本人も入団した際、「トゥロウィツキーは球界最高のショートなので、僕は他のポジションにも転向する覚悟でメジャー昇格に臨みたい」と発言しています。その言葉どおり、マイナーではチャンスを掴むために本職のショートだけでなく、セカンドやサードにも挑戦していました。

 ところが昨年7月、思わぬ事態が起こります。ロッキーズの主軸を担っていたトゥロウィツキーがトロント・ブルージェイズに電撃トレードされたのです。彼がコロラドから離れるとは誰も思っていなかっただけに、全米中のメジャーファンが衝撃を受けました。

 その代わりにブルージェイズから移籍してきたのが、同じくショートのホセ・レイエスです。2005年~2007年に3年連続で盗塁王に輝き、2011年には首位打者も獲っているレイエスが、ロッキーズの新たな正遊撃手として加わりました。しかしこのオフ、レイエスはDV容疑で起訴され、法的問題が解決するまで活動停止処分が下されたのです。その結果、キャンプやオープン戦で好調をアピールしたストーリーが、ショートのレギュラーに抜擢されることになりました。

 5月25日現在、ストーリーは43試合に出場して打率.272・12本塁打・31打点をマークしており、ロッキーズの2番を任されています。後方に控える3番のノーラン・アレナド(2015年・本塁打王)、4番のカルロス・ゴンザレス(2010年・首位打者)といった強力打線を支えるホープとして、今後も華々しい活躍を見せてくれるのではないでしょうか。

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