夏の甲子園で輝いた2年生投手12人 来年ドラフトの目玉となるか? (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

抜群の制球力を誇る広陵の高尾響抜群の制球力を誇る広陵の高尾響この記事に関連する写真を見る 高尾響(広陵/広島)は2年生ながらすでに2回の甲子園を経験し、名門のエースにふさわしい貫禄を携えている。身長172センチ、体重73キロと上背こそないものの、最速147キロのストレートと変化球をコーナーに集めるコントロールがある。そして何より、勝負の際(きわ)でこそ研ぎ澄まされた集中力を発揮する勝負強さこそ、この投手の魅力だろう。

 今夏の甲子園ではやや乗り切れず、3回戦の慶應義塾戦では10イニングを投げきったもののタイブレークの末に3対6で敗れた。この敗戦が高尾という投手をひと回り大きくさせる試練になるように思えてならない。

 左腕では洗平比呂(八戸学院光星/青森)、田端竜也(九州国際大付/福岡)も来年の活躍が見込める実戦型だ。

 洗平は最速147キロの触れ込みも、甲子園では終始130キロ台の球速に抑え、得意のスライダーを生かす投球を披露した。同じく最速148キロの2年生左腕・岡本琉奨との二枚看板で、今夏はベスト8に進出した。

 田端は常時130キロ台と驚くようなスピードはないものの、クロスステップするフォームから急角度で食い込むスライダー系の球種が光る。今夏は初戦で土浦日大に0対3と敗れたものの、8回を投げ被安打4、奪三振8と実力を発揮した。

 甲子園での登板機会は多くなかったものの、高木大希(履正社/大阪)、梅澤翔大(専大松戸/千葉)の両右腕もインパクトを残した。高木は自己最速を更新する147キロをマーク。低めに突き刺さるボールは、どの強打者もお手上げの好球質だった。梅澤はしっかりと胸を張る割れの形が印象的で、最速146キロの快速球を投げ込む本格派。ともに最上級生となる新チームでは、大黒柱として期待できる。

【スケール感あふれる5人の大型投手】

 一方、壮大なポテンシャルを秘める「ロマン型」の2年生投手も目立った。

 十川奨己(立命館宇治/京都)は身長195センチ、体重87キロの超大型右腕。だが、投球フォームに大型投手特有のぎこちなさがなく、バランスよく大きな体を扱える。身長が止まった今後のトレーニング次第で、大化けする可能性は十分にある。

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