【自転車】片山右京「ツール・ド・フランスまでの高い壁」

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira photo by AFLO

design by Unno Satorudesign by Unno Satoru 世界最高のレースで構成されるワールドツアーを戦うのが、「プロツアーチーム」だ。UCIのルール(2014年度版)では、「競技性(sporting)」「職業倫理(ethical)」「財務(financial)」「運営(administrative)」の4つの観点について、厳格な審査基準を満たした18チームに対して、ライセンスが発給されている。

 プロツアーチームはワールドツアーへの参戦義務を有しており、自転車ロードレースのスーパースターたちは、これら18あるプロツアーチームのいずれかに所属している。たとえば、昨年のツール・ド・フランスの覇者クリス・フルームは「チーム・スカイ(イギリス)」に、4月に行なわれた『キング・オブ・クラシック』と呼ばれるロンド・ファン・フラーンデレンを制したファビアン・カンチェラーラは「トレック・ファクトリー・レーシング(アメリカ)」に所属している、という具合だ。ちなみに、日本人選手の別府史之はカンチェラーラのチームメイトで、新城幸也はチーム・ユーロップカー(フランス)の所属だ。

 このワールドツアーの下には、ヨーロッパツアー、アフリカツアー、アジアツアー、オセアニアツアー、アメリカツアーと、大陸(コンチネンタル)ごとに区分されるレース群がある。

 これら各大陸ツアーを戦うのは、プロツアーチームよりも格下の「プロコンチネンタルチーム」や、「コンチネンタルチーム」だ。現在のTeamUKYOはコンチネンタルチームという分類に属し、アジアツアーおよび日本国内を主戦場としている。

 次週は、これら各チームの格式とレースの等級、参戦資格などについて、もう少しだけ詳しい説明をしていこう。

(次回に続く)

プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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