野球部高校生の素朴な疑問に答える。「プロ野球日本一のオリックスってどんな会社?」 (2ページ目)

  • 鈴木雅光●構成 text by Suzuki Masamitsu
  • はまのゆか●絵 illustration by Hamano Yuka

【「ノンバンク」って何?】

奥野「確かに、そう考えるのも当然だよね。銀行って簡単に倒産されると大変なことになるから、民間企業ではあるけど、好きなように何でもやっていいというわけではない。金融庁の監督のもと、『この業務はやってもいい。この業務はやってはいけない』というように、厳しく制限されているんだ。その代わり、そう簡単に倒産しないような保護も受けている。

 たとえば、鈴木君が銀行の窓口に行って、その場で『すみません、明日返済するので10万円貸して下さい』と申し出たとしよう。銀行はお金を貸してくれるかな?

 貸してくれないんだよ。銀行がいちいち個人の信用を全部チェックして、『この人にお金を貸しても明日、ちゃんと10万円を返済してくれるから貸してあげよう』という稟議を通すことなどありえない。手間をかけて審査して、稟議を通すまでのコストをかけられるほど、銀行はヒマじゃないってことなんだ。

 だから、その隙間を狙って商売する人たちが現れる。消費者金融がまさにそうで、それこそ最短30分で審査が終わって、その場で必要な金額を貸してくれる。もちろん上限額があるのは仕方がないにしても、翌日返済のような超短期間の貸出にも対応してくれる。それは、そういう金融をやっても収益を得られるような仕組みを、消費者金融が作っているからなんだ」

由紀「さっき、リース会社や信販会社、消費者金融とか、ノンバンクにもいろいろあることを言っていましたけど、同じノンバンクでもどんな違いがあるんですか」

奥野「結局、ノンバンクというのは相手の信用を考慮して、お金やモノを貸し出すサービスってことになるんだ。相手に信用をしっかりチェックしなければ、お金だけでなく、モノだって貸すことはできないよね。

 消費者金融は、もっぱら消費者に対してお金を貸す商売なんだけど、リース会社は、おもに事業会社に対して、コピー機などの事務用品や建設機械、自動車、オフィスなどを、比較的長期間にわたって貸し出しているんだ。なかには船舶や飛行機といった大きなものを貸し出しているケースもある。

 なんで、自分で買わずにリース会社を利用するのかというと、自分で買うとなると莫大な初期費用がかかるからなんだ。これをリースにすれば、月々のリース料を払うだけで済む。つまりリースを利用する企業としては、自分のところの経費を抑えるのに役立つでしょう。

 あと、信販会社は、どちらかというと個人ユースになるんだけど、たとえば個人が商品やサービスを購入する時、先に商品やサービスを手に入れて、その代金を後払いにするために使われるノンバンクだね。

 似たものとしてはクレジットカード会社があって、カード会員が利用できる加盟店で商品やサービスを購入する際にクレジットカードを提示すると、クレジットカード発行会社が加盟店への支払いを肩代わりした後、クレジットカード会社がカード会員に代金を請求することになる」

由紀「あー、なんとなくだけど、わかったかも。リース会社は事務用品や船舶などを貸し出す事業者を、信販会社やクレジットカード会社は支払いを後払いにしたい消費者をそれぞれ信用し、お金やモノを貸して、収益を得ているってことですか?」

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