競泳界に現れた新星・16歳の成田実生。ジュニアで結果を残し、今年はシニアの舞台で羽ばたく (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO SPORT

【2023年世界選手権で見たい】

 それでも実力は本物で、2022年4月末からの日本選手権では200m背泳ぎで優勝すると、個人メドレーも400mは3位、200mは大本を抑えて2分11秒41の自己新で大橋に次ぐ2位になった。

 8月には、代表選考会で話していたインターハイではなく、その直後の8月24日からアメリカのハワイで開催されるジュニアパンパシフィック選手権と、30日からペルーのリマで開催される世界ジュニア選手権の連戦に挑戦。ジュニアパンパシでは、予選で2分11秒41の自己新を出した200m個人メドレーと400m個人メドレーで優勝して2冠を獲得し、200m背泳ぎは2分09秒67の自己新で2位になった。

 さらにそのあとの世界ジュニアでも200m背泳ぎは4位だったが、200m個人メドレーは2位に1秒77差をつける2分11秒68で優勝し、400m個人メドレーも2位に6秒41差の大会新の4分37秒78で圧勝して2冠を獲得と、一気に羽ばたき始めた。

 そして9月の国体では少年B200m個人メドレーを2分10秒27の大会新で制すると、少年B100m背泳ぎでも優勝。12月のジャパンオープンでは個人メドレーの200mと400mで2冠と結果を出し続けた。

 東京五輪2冠の大橋は今後、200m個人メドレーに絞る可能性もあるだけに成田の世界挑戦への期待は高い。

 彼女の400m個人メドレーのベストである4分36秒71は、昨年の世界ランキングでは10位の記録で、6月の世界選手権決勝と比較すれば4位に相当する。4月4日からの日本選手権で2位以内に入って派遣標準記録を突破すれば、7月の世界選手権福岡大会や、その後の延期となったアジア大会への道も開ける。

 16歳になった成田が今年、初のシニアの大舞台に登場し、その道を大きく広げる可能性は高い。

Profile
成田実生(なりた みお)
2006年12月18日生まれ。東京都出身。金町スイミングクラブ所属。
2022年国際大会代表選考会で、中学3年生ながら400m個人メドレーで、日本のトップクラスの選手のなかで2位に入るなどパリ五輪に向けて、次世代の日本代表として注目された。その後、淑徳巣鴨高校に進学し、今年は世界選手権福岡大会への出場などシニアでの活躍が期待されている。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る