大学駅伝の勢力図を変えそうなルーキーたち 高校駅伝にも詳しいアイドル・西村菜那子の注目選手は? (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

【駒澤大は5000m13分のルーキーがゼロも......】

 高校時代の5000mベストでいうと中央大もレベルが高い。七枝直(関大北陽高出身)、岡田開成(洛南高出身)の13分台コンビに加えて、14分10秒前後の選手が5人も入学した。

「岡田選手は、最後の全国高校駅伝は体調不良で出場できず。その悔しさを晴らすかのように、3月23日の中大競技会10000mで28分38秒30をマークしました。

 それから、埼玉栄高のキャプテンだった佐藤大介選手にも注目しています。昨季は全国高校駅伝の3区で区間7位。春の高校伊那駅伝も1区を区間6位と好走したんですけど、途中で飛び出したい気持ちを抑えて、チームのために自分の役割を果たしました。冷静に走れる選手なので、大学駅伝でも活躍してくれるんじゃないでしょうか」

 中大は、来年の箱根は予選会からの出発となる。名門復活には1年生の活躍も欠かせない。

 まだ名前が出ていない駒澤大はどうなのか。近年は豪華メンバーが入学して、一昨年度は駅伝3冠を達成。昨年度も出雲と全日本を制しているが、今年は6年ぶりに5000m13分台のルーキーがいなかった。

「例年に比べると5000mのタイムは劣りますが、倉敷高出身の桑田駿介選手は面白いですよ。昨年の全国高校駅伝では、4区で2年連続の区間賞。6月の岡山県選手権10000mは28分台で優勝しています。すごくスリムな選手で、國學院大の平林清澄選手みたいだなと思いながら見ています。駒大高出身の菅谷希弥選手も10000mで28分台のタイムを持っているので、『長い距離に強い選手が多いのかな』という印象です」

 駒大は昨年度の三大駅伝で1年生の出番がなく、今年に箱根を入ったメンバーは5人が卒業した。全日本の5連覇と、箱根の王座奪還には1、2年生の新戦力が必要になりそうだ。

 箱根でシード権を逃した順天堂大は、永原颯磨(佐久長聖高出身)、川原琉人(五島南高出身)、玉目陸(出水中央高出身)、池間凛斗(小林高出身)と5000m13分台ランナーが4人も入学した。永原は3000m障害(8分32秒12)の高校記録保持者で、川原は1月の全国都道府県対抗駅伝1区で区間賞。玉目は10000mで28分40秒90を持ち、池間は国体少年A5000mで2位に入っている。

「2月の宮古島大学駅伝の取材へ行ったんですけど、合宿に参加していた永原選手が練習を引っ張っていました。すでにチームに馴染んでいましたし、中心的な存在になるんじゃないかと思っています。彼は『箱根駅伝の5区を走ってみたい』と話していますし、3000m障害の選手としても先輩・三浦龍司選手(現・SUBARU)のように学生時代から世界で活躍してほしいです」

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