箱根駅伝の予選会組は下位チームにもチャンス 1万m上位10人の平均タイム4位の大学も (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

【東京農業大学】

強力トリオで往路は上位争いを!

 10年ぶり70回目の出場。今季はスーパールーキーの前田和摩(1年)が加わり、チームは一変した。箱根予選会は前田が日本人トップに輝き、11位で通過。14年ぶりに出場した全日本は2区・前田の区間新で4位に浮上すると、4区終了時で5位と前半は大健闘した。

 本戦では予選会でチーム上位の4人を1区から並べたい考えで、"花の2区"は前田が濃厚。10000mで28分10秒台のタイムを持つ高槻芳照(4年)と並木寧音(4年)が前後を挟むかたちになりそうだ。激坂最速王決定戦(登りの部)で吉村颯斗(4年)が3位に食い込んでおり、5区も計算できる。選手層は厚くないが、往路を上位で折り返して、久々の箱根路でインパクトを残したい。

【駿河台大学】

初出場時の19位からどこまで順位を上げられるか

 予選会を12位で通過して、2年ぶり2回目の出場となる。前々回の経験者は新山舜心(4年)のみで、ケニア人留学生はムサンガ・ゴッドフリー(2年)とスティーブン・レマイヤン(1年)のふたりがメンバー登録された。

 主将の新山は、12月2日の日体大長距離競技会の1万mで28分14秒30をマーク。1区で起用されることになれば、2区にケニア人留学生を配置できるため、序盤は上位でレースを進められる期待感がある。1万mで28分32秒29を持つ東泉大河(2年)、予選会でチーム3番目の個人63位に食い込んだ古橋希翁(1年)ら下級生も台頭。前々回の19位からどこまで順位を上げられるか。

【山梨学院大学】

予選会は最下位通過も2区と5区の期待十分!

 予選会は次点の東京国際大と3秒差の最下位通過。しかし、本戦での期待は高まりつつある。ジェームス・ムトゥク(2年)が予選会で個人3位に入っており、"花の2区"は区間上位が計算できる。また、激坂最速王決定戦(登りの部)で弓削征慶(2年)がトップ争いを演じて2位。前回18位だった5区も好走が期待できるだけでなく、予選会でチーム4位の新本駿(3年)を平地にまわすことができるのもプラス材料だ。

 さらに6区も、前回10位で走っている高田尚暉(3年)が控えている。前回4区を10位と健闘した北村惇生(4年)が往路のポイントに区間に起用されるはずだが、まずは1区で好スタートを切って流れをつかみたい。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る