2児の母、本橋麻里がママアスリートとしての日々を語る「子育てがカーリングの役に立っているんです」 (2ページ目)

  • text by Sportiva

【得るものしかなかった休養の1年】

――2018年は銅メダルを獲得した2月の平昌五輪を経て、6月から休養に入られました。その1年は子育てがメインだったのですか?

「残念ながら子育てで休むという選択が、私のなかにはなかったんですよね。競技を休んでいた1年間は、基本的にこれまでカーリングが好きな女の子の集合体でしかなかったチームを会社にする準備期間でした。競技、会社を起こす、子育てという3つ全部のバランスを考えると、競技が優先ではないなという判断でした」

――このタイミングだった理由はありますか?

「若手も育ってきて託せるって思えたので、甘えさせてもらったんです。あとは、海外遠征の多いチームなので、平昌大会までは行ける範囲で行ったんですが、息子が3歳になったタイミングで、ママ友から『3歳は人間的成長が著しい年齢で、結構大事だよ』と教えてもらって、近くにいられる時間を増やすという意味もありました。それがちょうど平昌終わりだったんですよね。これは時が来たと思えるタイミングだったので、1年休むことは全然怖くなかったです」

――実際にはいかがでしたか?

「1年競技を休むということは、何かを捨てたようにも思える状況なんですが、得るものしかなかったです。子どもが何を考えて成長しているのか、逆に子どもの周りに改めてどういう人がいてくれるのかを再認識できました。息子は生後5カ月ぐらいから保育園に預けていましたが、保育園の先生にも励まされたりとか、今しかできないことを全力でやったほうがいいって言ってくれるママさんたちがたくさん周りにいてくれました。きっと、みんなそういう壁にぶつかりながら子育てしているから、応援してくれるんだろうなって。それを再認識すると改めて仕事を頑張らないとって思いました。この経験が今を支えていると思います」

――同じ悩みを持つママ友からの応援は力になりますね。

「本当に周りに励まされましたね。そういうふうに自分もなっていきたいので今後、周りに自分の人生も大事だし、旦那さんも子どもも大事にしたいって人がいたら、胸張って進んだらいいよって、私も全力で応援したいと思います」

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