「今しかできない」カーリングで生きていく覚悟を決めた藤澤五月の中部電力入りはこうして決まった (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • photo by JMPA

 それに、何よりもまず、私のなかにカーリングで生活をしていく覚悟があるのかをしっかり考える必要がありました。

 正直、とても迷いました。私の母校の北見北斗高校はスポーツでの進学や就職といった進路はかなり珍しい、いわゆる進学校です。私も大学でもっと英語を勉強したい気持ちもありました。

 その辺りも含めて、1年生の時の担任の先生に相談すると、「英語は何歳になってもヤル気さえあれば、大学に行って学ぶことができる。でも、カーリングは今しかできないんじゃないか?」というようなことをおっしゃってくれて。確かにそうだな、と納得しましたし、カーリングで世界を目指すことはやはり魅力的で、まだまだうまくなりたいという欲は強かったので、今しかできないカーリングを進路として選びました。

 同学年は6クラス、240人の生徒がいたのですが、就職したのは私ひとりでした。

藤澤五月(ふじさわ・さつき)
1991年5月24日生まれ。北海道北見市出身。高校卒業後、中部電力入り。日本選手権4連覇(2011年~2014年)を果たすも、ソチ五輪出場は叶わなかった。2015年、ロコ・ソラーレに加入。2016年世界選手権で準優勝。2018年平昌五輪で銅メダル、2022年北京五輪で銀メダルを獲得した。趣味はゴルフ。

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