生理があっても注意してほしい7つのチェックポイント 伊藤華英「1つでも該当すれば婦人科に行って」 (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 廣瀬久哉●撮影 photo by Hirose Hisaya

【婦人科へは歯医者に行く気持ちで】

 これまでも婦人科に行くことに抵抗があるという方を見てきました。確かに婦人科でどんなことをされるんだろうとドキドキする気持ちはとてもよくわかります。そんな方たちにはぜひ、歯医者に行く気分で婦人科に行ってほしいなと思います。ちょっと歯が痛いなとか、歯がしみるなと感じた時に、みなさんはすぐに歯医者に行くと思いますが、婦人科も同じです。

 前述のチェック項目に当てはまる人がいたら、まずは行ってみてください。婦人科の先生に「どんなことをされるのか、ちょっと怖いです」と伝えるのもいいかと思います。そうすれば先生が診察について相談にのってくれるでしょう。

「1252プロジェクト」は今年で3年目になります。インスタでスポーツと生理を手軽に学べる1252PLAYBOOKを公開してから1年が経ちますが、生理に関するDMがくることがあります。なかには赤裸々なコメントもあるので、悩みが言える場所がまだ少ないんだなと感じています。

 生理はパーソナルな問題ではありますが、妊娠をするためにくるものですので、女性だけでなく、指導者をはじめ男性も最低限の知識を持ってほしいですよね。周りが知っているという状態が増えてくれば、少しずつ相談する相手が増えてくるかもしれません。

 日々この分野は勉強ですし、今はいろんな分野のアカデミックな方たちが研究をしているところですので、生理については今後さらに新しい発見が出てくるでしょう。

 みなさんもぜひ情報をキャッチアップして、女性も安心してスポーツに励める社会にしていってほしいなと思います。

【Profile】
伊藤華英(いとう・はなえ)
1985年1月18日生まれ、埼玉県出身。元競泳選手。2000年、15歳で日本選手権に出場。2006年に200m背泳ぎで日本新、2008年に100m背泳ぎでも日本新を樹立した。同年の北京五輪に出場し、100m背泳ぎで8位入賞。続くロンドン五輪では自由形の選手として出場し、400mと800mのリレーでともに入賞した。2012年10月に現役を引退。その後、早稲田大学スポーツ科学学術院スポーツ科学研究科に通い、順天堂大学大学院スポーツ健康科学部博士号を取得した。現、全日本柔道連盟ブランディング戦略推進特別委員会副委員長、日本卓球協会理事。

■インスタで「スポーツと生理」の教材を配信
伊藤華英さんがリーダーを務める「1252プロジェクト」。これは女子学生アスリートを中心に、10代の若者が抱える「スポーツと生理」にまつわる課題に対し、トップアスリートの経験や医学的知見をもって、情報発信をしているプロジェクト。その一環として、インスタグラムで手軽に学べる「スポーツと生理」の次世代型オンライン教材『1252 Playbook』を配信中。
Instagram:1252project>>

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