【カーリング】平昌五輪へ。マリリンがついに本気になった (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text&photo by Takeda Soichiro

日本選手権優勝を目指すLS北見。右から本橋麻里、吉田知那美、鈴木夕湖、吉田夕梨花、馬渕恵。日本選手権優勝を目指すLS北見。右から本橋麻里、吉田知那美、鈴木夕湖、吉田夕梨花、馬渕恵。 一層の飛躍が期待される今季は、北海道銀行の一員としてソチ五輪に出場した吉田知那美が加入。戦術の幅が広がって、本橋も確かな手応えを感じている。

「(吉田知那美が加入して)チームに刺激を与えてくれた。勝つためには何が必要か、客観的にチームを見てくれたのも大きい」

 新チームとなって最初の公式戦、昨年9月に行なわれたパシフィックアジアカーリング選手権日本代表決定戦では準優勝と、惜しくも代表キップを逃した。それでも、予選リーグでは代表の座を手にした北海道銀行と1勝1敗という互角の戦いを見せ、チーム力が上がっていることを証明した。

 また、今季はワールドカーリングツアーでも1勝を挙げて、先月開催された全道選手権では5戦全勝優勝。すべての試合で3点差以上の大差をつける、圧勝劇を演じた。

 本橋本人にも変化が起きている。

 大会後、日本選手権に向けてのピーキング、重要な一戦に向けてコンディションをどう調整していくのか、という質問がメディアから本橋に投げかけられた。そのとき、本橋はこう答えた。

「(個々のコンディションは)上がったり、下がったり、ということはある。でも、個人ではなく、チームとしての準備の仕方をしっかりとつかめれば、残り3年はより良いシーズンになると思う」

「残り3年」――本橋が2018年平昌五輪を意識した言葉を自ら発したのだ。

 チーム結成以来、メディアからどんなに促されても、本橋は「五輪」を意識した発言をすることはなかった。「まだ私たちはそこ(五輪)に向かう立場ではない」と、「道の途中」であり、「挑戦者」であることを強調し、日本の頂点に立つこと、さらには五輪に出場することに対しての、渇望のようなものが伝わってこなかった。

 それが、ついに「五輪出場」を目標とする発言を本橋から切り出した。"機は熟した"という彼女自身の自信の表れ、と受け止めていいだろう。そして、本橋のそのスタンスこそが、LS北見の最大の原動力になっていることは間違いない。

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