【重量挙げ】三宅宏実&八木かなえ、リオ五輪に照準ピタリ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by(C)Takamitsu Mifune / PHOTO KISHIMOTO

 八木を指導する横山信仁コーチによれば、腰痛で大会直前の練習ではスナッチ80kg、クリーン&ジャークは105kgしか挙げられなかったという。「2カ月前までは練習でスナッチ87kgとクリーン&ジャーク110kgまでできていたんです。これならアジア大会ではずっと目標にしていた200kgは行くと期待したら、腰が痛くなったと伝えてきて......」と悔しそうな表情を見せる。

 ボロボロの状態でも最低限のことができたのは評価しながらも、「スナッチ82kgとクリーン&ジャーク108kgというのは、11月の世界選手権ではスタート重量にしなければいけない数字。今でもクリーン&ジャークでは115kgまで挙げる力はあるが、将来的には90kgと120kgを挙げられる潜在能力は持っている」と今後に期待する。

 そこから2時間ほど後に始まったAグループは驚くような激しい戦いになった。

 クリーン&ジャークの終盤、チンシャンロが2回目に自身が保持するクリーン&ジャークの世界記録を1kg更新する132kgを挙げてトータル228kgで許とチョウに並んだ。体重差で許とすでに試技を終えたチョウを抑えてトップに立った。するとまだ1回残っていた許が、1回目に挙げた127kgから5kgも増量した132kgを差し挙げ、トータル233kgの世界新記録で逆転した。

 そこでチンシャンロも逆転のためにと、137kgに挑戦。失敗はしたが世界新をめぐる激しい競り合いに場内も興奮。

 そんな戦いの中で三宅は「ロンドンが終わって2年が経ち、ようやく状態が戻ってきたところなので今回はトータル200kgを目標にした」と話し、淡々と競技を続けた。そしてスナッチでは「2年ぶりに挙げられた」という87kgを3回目に成功。クリーン&ジャークは107kgから初めて110kg、113kgと進む予定だったが、1回目に差し上げで僅かなミスを出して失敗。その後は成功して3回目に110kgを挙げ、トータル197kgで8位になった。

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