高橋大輔に若手からひと言「ダンスがうますぎてマネできない」 アイスショーで見せた革新性 (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【村元哉中は色気が止まらない】

 今回の『滑走屋』も、じつに詩的である。シームレスに物語がつながっているようであり、同じ体内でうごめく細胞の動きのようにも思える。無限の連続性のなかで生命の強さを感じさせ、圧倒的に感情を揺さぶる。

 たとえば、高橋がアイスダンスでカップルを組んだ村元哉中のソロは必見である。

 雨に濡れた景色が映し出されるような叙情的ナンバーが続いたあと、村元はまるで妖艶な生きものが憑依したように、艶かしく身体をくねらせる。エロティックな旋律を全身で感じ、髪を振り乱し、うつろな目で、色気が止まらない。スパイラルは挑戦的で、まぶしいスポットライトを浴び、匂いも視覚も音も一緒くたにしたように五感を暴走させていた。

 高橋の世界観を最も肌で感じているのが、戦友として強い絆で結ばれる村元なのだろう。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る