【武蔵×武尊】K-1ヘビー級で戦っていた憧れの武蔵を見て、武尊が磨いた必殺技とは? (4ページ目)

  • 松岡健治●取材・文 text by Matsuoka Kenji

武蔵 それにはどう対応したの?

武尊 構えを変えました。僕は、いまだにディフェンスよりオフェンスを重視していて、「当てられる前に当てちゃえ」みたいな感覚があるんです。なので、ディフェンスはそんなにうまくないんですけど......ボクシングのようなパンチの攻防になると、上半身を使わないとパンチを打てないので、上半身で打てるようなスタンス、構え、重心の置き方を空手時代とは完全に変えて、それで対応できるようになりました。

武蔵 距離感の克服は、すごくよくわかるよ。俺のミドルは空手時代から使っていたけど、それをK-1でも使い始めたのは参戦してからだいぶ経ったあと、キャリアの後半くらいからだった。キックボクシングでは、相手との距離が近い空手で使えるような"撃ち落とす蹴り"はできなかった。それが、経験を積んでいくうちに距離感に対応できて、「空手時代に使っていたミドルを出せる」と使い始めたんだ。

武尊 そうだったんですか。ホントに、距離感の克服は難しいですよね。

武蔵 あと、さっき武尊くんは「当てられる前に当てちゃえ」と言ったけど、俺の場合はヘビー級だったから、一発で試合が終わるリスクもあった。だから、どちらかというとディフェンスに重きを置いてたね。

 自分より体重が10~20キロくらい重い、100キロ超えの選手たちと闘っていたから、ガードの上からパンチや蹴りをもらうだけでバランスを崩して危なかったから。ヘビー級では、「まずは相手の技を外すことが大事だ」と思っていたから、それを徹底してたよ。

(中編:武蔵と武尊が明かすK-1の過酷な闘いの日々 「負けたら終わり」と考えていた理由>>)

【プロフィール】
■武蔵(むさし)

1972年10月17日生まれ、大阪府出身。1995年に「K-1 REVENGE II」でのK-1デビュー戦を2ラウンドKO勝ちで飾る。その後、K-1 JAPAN GPを4度制覇し、2003年、2004年にはK-1 WORLD GPにおいて、2年連続で準優勝を成し遂げるなど、強豪ひしめくヘビー級で活躍した。現役時代の戦績は85戦49勝(19KO)30敗5分1無効試合。2009年に引退後は、バラエティやYouTubeなど幅広く活躍している。

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■武尊(たける)

1991年7月29日生まれ、鳥取県出身。2011年9月24日、「Krush.12」でプロデビュー。2015年4月に初代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント、2016年11月に初代K-1フェザー級王座決定トーナメントを制して2階級制覇を達成。2018年3月の「K'FESTA.1」では第4代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントで優勝し、前人未到・K-1史上初の3階級制覇を成し遂げる。2022年6月に中立のリングで那須川天心と対戦。その後、ONEチャンピオンシップと契約を結び、2024年1月28日にONEデビュー戦を迎える。戦績は43戦41勝(25KO)2敗。

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